# 睡眠時無呼吸は寿命を縮める? **Published by:** [AI Journal Club](https://paragraph.com/@journalclub/) **Published on:** 2025-02-26 **Categories:** sas **URL:** https://paragraph.com/@journalclub/molnar2015 ## Content 2015年のコホート研究によると、閉塞性睡眠時無呼吸と診断を受けた人は、全死亡が86%増加するほか、冠動脈疾患・脳卒中・慢性腎臓病のリスクが増加していることがわかりました。研究の概要参加者米国退役軍人3,079,514名(男性93%)ベースラインの推定糸球体濾過率(eGFR)が60 ml/min/1.73m²以上の患者。平均年齢は 60.5歳(標準偏差 ±14.4歳)。介入閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の診断あり(OSA+)CPAP(持続陽圧呼吸療法)治療なし(OSA+/CPAP-)CPAP(持続陽圧呼吸療法)治療あり(OSA+/CPAP+)比較OSAの診断なし(OSA-)アウトカム全死亡率冠動脈疾患(CHD)の発症率脳卒中の発症率慢性腎臓病(CKD)の発症率(eGFR <60 ml/min/1.73m²)腎機能低下(eGFRのスロープ)研究デザイン後ろ向きコホート研究(2004年10月1日~2006年9月30日)追跡期間:中央値7.74年(IQR: 5.99–8.37年)結果全死亡率OSAなし:22%OSA+/CPAP-:28%(HR: 1.86, 95%CI: 1.81–1.91)OSA+/CPAP+:22%(HR: 1.35, 95%CI: 1.21–1.51)冠動脈疾患(CHD)発症率OSAなし:2.3%(4.17/1000人年)OSA+/CPAP-:12.4%(21.5/1000人年, HR: 3.54, 95%CI: 3.40–3.69)OSA+/CPAP+:12.1%(20.1/1000人年, HR: 3.06, 95%CI: 2.62–3.56)脳卒中発症率OSAなし:1.8%(3.07/1000人年)OSA+/CPAP-:8.1%(13.3/1000人年, HR: 3.48, 95%CI: 3.28–3.64)OSA+/CPAP+:9.2%(14.6/1000人年, HR: 3.50, 95%CI: 2.92–4.19)慢性腎臓病(CKD)発症率OSAなし:10%(15.05/1000人年)OSA+/CPAP-:25%(38.31/1000人年, HR: 2.27, 95%CI: 2.19–2.36)OSA+/CPAP+:29%(46.26/1000人年, HR: 2.79, 95%CI: 2.48–3.13)腎機能低下(eGFRのスロープ中央値)OSAなし:−0.41 ml/min/1.73m²/年OSA+/CPAP-:−0.61 ml/min/1.73m²/年(OR: 1.30, 95%CI: 1.24–1.35)OSA+/CPAP+:−0.87 ml/min/1.73m²/年(OR: 1.28, 95%CI: 1.09–1.50)文献Molnar MZ, Mucsi I, Novak M, et al. Association of Incident Obstructive Sleep Apnea with Outcomes in a Large Cohort of US Veterans. Thorax. 2015 Sep;70(9):888-895. doi:10.1136/thoraxjnl-2015-206970. 研究の背景(導入部分の要約)閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、睡眠関連呼吸障害の中で最も臨床的に重要な疾患の一つである。一般集団におけるOSA(AHI>15+日中症状あり)の有病率は約10%とされる。OSAは心血管疾患(CHD、脳卒中)や死亡リスクの増加と関連することが過去の研究で示唆されている。しかし、高齢者のOSA患者ではこの関連が確認されない場合もある(生存者バイアスの可能性)。OSAは高血圧や動脈硬化、交感神経の活性化を引き起こし、腎機能の低下にも影響する可能性がある。しかし、OSAと慢性腎臓病(CKD)の進行との関連を調べた大規模研究はほとんどない。本研究では、OSAの新規診断が死亡率、CHD、脳卒中、CKD、および腎機能低下と関連するかを大規模コホートで検討した。交絡因子調整された因子(交絡因子として考慮)人口統計学的要因: 年齢、性別、人種/民族腎機能: ベースラインのeGFR既往歴(併存疾患):糖尿病、高血圧、心血管疾患(CHD)、うっ血性心不全(CHF)、脳血管疾患(脳卒中)、末梢動脈疾患、慢性肺疾患、認知症、リウマチ性疾患、悪性腫瘍、HIV/AIDS、うつ病医療の質: コレステロール測定回数、インフルエンザワクチン接種回数社会経済的要因: 収入、婚姻状況生活習慣要因: BMI(肥満)調整されていないが影響が考えられる因子OSAの重症度(ポリソムノグラフィーのデータがないため、AHIなどの指標は考慮されていない)OSAの治療アドヒアランス(CPAPを処方された患者の実際の使用状況は不明)喫煙歴・アルコール摂取(生活習慣要因として重要だが調整されていない)身体活動レベル(運動習慣が心血管疾患や腎機能に影響を与える可能性がある)食生活・栄養状態(塩分摂取やカリウム摂取が高血圧や腎機能に影響を及ぼす可能性)睡眠時間・睡眠の質(OSAの影響を強く受けるが、測定されていない)薬剤使用(降圧薬やスタチンなどの影響が考慮されていない可能性)研究の限界観察研究のため因果関係は不明(OSAが直接アウトカムに影響したかは断定できない)。診断はICD-9コードに基づいており、OSAの重症度(AHIなど)は考慮されていない。CPAP治療の実際の使用状況が不明(治療の遵守率が評価されていない)。OSA診断の感度・特異度が不明(ICD-9コードのみのため、診断の正確性に課題がある)。腎機能低下の指標として尿アルブミン値が含まれていない(CKDの評価に重要だが、データがない)。主に男性退役軍人(93%)が対象のため、一般集団や女性には外挿できない可能性がある。死因データがないため、OSAと特定の死因(心血管死、腎不全死など)との関連は不明。 ## Publication Information - [AI Journal Club](https://paragraph.com/@journalclub/): Publication homepage - [All Posts](https://paragraph.com/@journalclub/): More posts from this publication - [RSS Feed](https://api.paragraph.com/blogs/rss/@journalclub): Subscribe to updates