# 日本のコホート研究が示す、血圧と心血管死亡の関係 **Published by:** [AI Journal Club](https://paragraph.com/@journalclub/) **Published on:** 2025-02-22 **Categories:** hypertension **URL:** https://paragraph.com/@journalclub/satoh2025 ## Content 2025年に発表された日本のコホート研究のメタ分析によると、未治療の高血圧者では血圧が高いほど心血管疾患(CVD)死亡リスクが増加し、特に軽症高血圧群で最も高い人口寄与割合(PAF)が示されました。高血圧の予防と管理がCVD死亡リスクの低減に重要であることを支持する結果です。研究の概要参加者:日本の10のコホート研究から70,570名(平均年齢59.1歳、女性57.1%)未治療者 57,656名(81.7%)、治療中の高血圧者 12,914名(18.3%)介入:なし(観察研究のため)比較:日本高血圧学会(JSH)2019ガイドラインの血圧分類を用い、未治療群の血圧を6段階に分類正常血圧(<120/<80 mmHg)高値正常血圧(120–129/<80 mmHg)高値血圧(130–139/80–89 mmHg)Grade I高血圧(140–159/90–99 mmHg)Grade II高血圧(160–179/100–109 mmHg)Grade III高血圧(≥180/≥110 mmHg)アウトカム:総心血管疾患(CVD)死亡・脳卒中(虚血性脳卒中、脳内出血)・虚血性心疾患・心不全研究デザイン:EPOCH-JAPANのデータを用いたメタ解析(観察研究)・Cox比例ハザードモデルを用いた解析結果:CVD死亡率は血圧が高くなるほど上昇し、Grade III高血圧(BP ≥180/≥110 mmHg)では正常血圧の約4倍のリスク(HR=2.58)Grade I高血圧(140–159/90–99 mmHg)の**PAFが41.1%**と最も高く、CVD死亡の大きな要因10年間のCVD死亡累積リスクは、正常血圧群で1.1%、Grade III高血圧群で4.3%文献:Satoh M, Ohkubo T, Miura K, Harada A, Tsutsui A, Hozawa A, et al. Long-term risk of cardiovascular mortality according to age group and blood pressure categories of the latest guideline. Hypertension Research. 2025. https://doi.org/10.1038/s41440-025-02151-w 研究の背景高血圧は心血管疾患(CVD)の主要な危険因子 であり、世界的な罹患率と死亡率に大きく寄与する。日本のEPOCH-JAPAN研究では、血圧(BP)とCVD死亡リスクの関連 が示されてきたが、過去の分析では降圧治療を受けている参加者も含まれていた。2019年の日本高血圧学会(JSH)ガイドラインの改訂 により、血圧の分類が変更され、米国の基準とより整合する形となった。新しい血圧基準に基づくCVD死亡リスクの再評価 は、臨床実践の改善に役立つ可能性がある。そこで、本研究は、未治療者に限定した血圧カテゴリーとCVD死亡リスクの関連 を明らかにすることを目的とした。交絡因子調整済みの因子(Cox比例ハザードモデルで調整)性別年齢総コレステロール値喫煙歴(元喫煙者、現在喫煙者)飲酒歴(元飲酒者、現在飲酒者)BMI(<18.5および≥25 kg/m²)糖尿病の有無調整されていないが影響があると考えられる因子食塩摂取量(日本人は食塩摂取量が高く、高血圧のリスク要因となる)身体活動量(運動不足が血圧上昇と関連)社会経済的要因(収入や教育レベルによる健康格差の影響)精神的ストレス(ストレスが血圧上昇を引き起こす可能性)家庭血圧(オフィス血圧のみ測定され、家庭血圧が考慮されていない)研究の限界追跡期間中の治療状況が不明研究開始時に未治療だった人も、追跡期間中に降圧薬を開始した可能性がある。単回測定のオフィス血圧のみを使用家庭血圧や24時間血圧の測定がなく、白衣高血圧や仮面高血圧の影響を考慮できていない。アウトカムがCVD死亡に限定心筋梗塞や脳卒中の発生率は解析されておらず、非致死的なCVDリスクを評価できない。研究対象の年代がやや古いベースライン調査は1990年代が中心であり、近年の降圧治療の進歩を反映していない可能性がある。食塩摂取や運動習慣などの生活習慣因子が調整されていない日本人の塩分摂取量が高いため、食塩制限がどの程度影響するか不明。高血圧治療の普及による影響近年の治療改善により、未治療者の血圧分布が過去と異なる可能性がある。 ## Publication Information - [AI Journal Club](https://paragraph.com/@journalclub/): Publication homepage - [All Posts](https://paragraph.com/@journalclub/): More posts from this publication - [RSS Feed](https://api.paragraph.com/blogs/rss/@journalclub): Subscribe to updates