# 消えていく音、残っていくかたち > Director Note #18 **Published by:** [Small Medicine](https://paragraph.com/@smaller/) **Published on:** 2026-06-13 **Categories:** evidenceoflife, directornote **URL:** https://paragraph.com/@smaller/dn18 ## Content 岡﨑乾二郎さんの個展「New works 54」を見に行きました。 Kenjiro Okazaki|New works 54 | Takuro Someya Contemporary Art / TSCA Past Exhibition 25 April - 6 June, 2026 Venue : 1: Takuro Someya Contemporary Art 2: BONDED GALLERY Takuro Someya Contemporary Art is pleased to announce the upcoming solo exhibition New works 54 by Kenjiro Okazaki. [Exhibition Details] Kenjiro Okazaki|New works 54 Exhibition Period: Saturday, April 25, 2026 - Saturday, June 6, 2026 Reception: April 25, 3:00 p.m. https://tsca.jp 色彩豊かな小さな作品が並び、それぞれの画面の中に、さまざまな像が立ち上がってくるように感じました。風景のようでもあり、身体の一部のようでもあり、記憶の断片のようでもある。何かに見えたと思った瞬間、その像はまた別のものへと移っていきます。作品を見るという行為は、対象を確認することではなく、像が生成し、変容し、消えていく過程に立ち会うことなのだと感じました。 会場では作品タイトルは掲示されておらず、まずは自分の視線と記憶だけで作品に向き合うことになりました。何に見えるのか、なぜそう見えてしまうのか。作品を「読む」前に、自分の知覚が揺さぶられる時間がありました。あとから作品集でタイトルを知ると、自分の見立てと言葉とのあいだに距離が生まれます。その距離は、アート作品が単一の意味に閉じないことを示す、もうひとつの入口のように感じられました。 その中で、ひとつ強く引っかかったタイトルがありました。 「おんがくはね通りすぎたら空に消えるさ」 音楽は、時間の中でしか存在できません。鳴った瞬間から、すでに過ぎ去っていく。録音はできます。楽譜も残ります。それでも、その場に生じた響き、空気、身体感覚、沈黙、聴いていた人の内側に起きた微細な変化までは、同じかたちでは保存できません。 一方で、アート作品は物質として残ります。キャンバスや紙や立体として、後世に手渡されていく。ただし、作品が残ることは、意味がそのまま保存されることではありません。作品は作者の手を離れ、別の時代に置かれ、別の人のまなざしにさらされます。残るものは固定されるのではなく、繰り返し解釈され、誤読され、更新されていきます。 音楽は消えるからこそ、その場に深く刻まれる。 アート作品は残るからこそ、時間の中で変わり続ける。 残存とは、保存ではなく、変容の条件なのかもしれません。 Evidence of Life で考えている「生きてきた証」も、この問題とつながっています。 人の声、しぐさ、沈黙、暮らしの手触りは、そのままでは失われていきます。記録しようとしても、すべては残せません。記録するという行為は、あるものを残すと同時に、別の何かを取りこぼす行為でもあります。 それでも、何も残さないのではなく、何かをかたちにしてみる。 それは、人生を完全に保存することではありません。過ぎ去った時間を所有し直すことでもありません。消えていくものが消えていくことを認めながら、その痕跡に触れるための形式を探すことなのだと思います。 ずっと残っていくものは何だろう。 作品なのか。記録なのか。名前なのか。誰かの記憶なのか。あるいは、それらのどれでもなく、誰かの中で一度だけ生じた感覚なのか。 まだ答えはありません。 ただ、残るものと消えるもののあいだに、人が生きた痕跡はあります。Evidence of Life は、そのあわいに、ひとつの小さな形式を置いていく試みなのかもしれません。 出典 Kenjiro Okazaki, おんがくはね通りすぎたら空に消えるさ/Marsyas–Eric Dolphy/Why do you tear me from myself? 2026, Acrylic on canvas, (H)16.7 x (W)20.5 cm ©︎ Kenjiro Okazaki, Courtesy of the artist and Takuro Someya Contemporary Art, Photo by Shu Nakagawa ※この記事はAI共創型コンテンツです。 ■ AI コンテンツ生成・推敲:ChatGPT 5.5 Thinking ■ bycomet 医師。2007年からブログ/Xで発信を続けています。2015年に「地域医療ジャーナル」を創刊し、2018年にオンラインコミュニティ「地域医療編集室」を設立。2022年からプラットフォーム「小さな医療」を運営し、エビデンスに基づく地域医療の実践と言葉を届けています。 ## Publication Information - [Small Medicine](https://paragraph.com/@smaller/): Publication homepage - [All Posts](https://paragraph.com/@smaller/): More posts from this publication - [RSS Feed](https://api.paragraph.com/blogs/rss/@smaller): Subscribe to updates - [Twitter](https://twitter.com/bycomet): Follow on Twitter