
・今年に入ってから、将来の金利をトークン化し、固定利回りを得るDeFiプロダクトが増えています。以前紹介した、Element.Financeもその一つです。基本的に固定利回り系のプロトコルが謳っている課題は「不安定なDeFI環境の中、将来の金利を先に得て効率的な資産運用を図る」というものですが、そこに至るまでの解決アプローチやアセットが異なります。
・今回紹介するTempusは、最近著名VCから追加の資金調達を行い、トークン概要が発表されたりと動きがありましたので、内容整理したいと思います。
プロダクトの中身に入る前に、資金調達状況とトークンの発行状況を整理します。
①2021.7 Seed Round($1.9M)→詳細

②2021.11 Strategic Funding Round($4M)→詳細
・Distributed Global、Jump Capital、KojiCapitalなどからの資金調達を発表しました。
・その他、BalancerやLidoからグラントを受けています。
先日、ガバナンスの分散化とTEMPトークンの概要を発表しました。
①用途:ガバナンスとステーキング
②割当
◆Tempusコミュニティメンバー(52.00%)520,000,000 TEMP
・初期のコミュニティ、ユーザー、流動性プロバイダー、およびその他のパートナーへのインセンティブ付与に加えトークンセールも実施(詳細ははSoon)
・初期コミュニティは、現在実施されているアンバサダープログラム参加者やテストネット参加者への報酬だと推察しています。
◆チーム(26%) 260,000,000 TEMP
・3年間で権利確定。
◆投資家とアドバイザー(22%) 220,000,000 TEMP
・2.5年〜3年間で権利確定
・前提として、現状でTempusはETHのLiquid Staking ProtocolのLidoエコシステムを中心に回ります。(今後はYearn、Compound、Aaveベースのプールを展開予定)
・たとえば、ユーザーがstETH(Lido Staked ETH)を選択した満期の契約に預けたとします。これらの利回りを伴うトークンは、トークン化された元本トークン(Principalトークン)と利回りトークン(Yield トークン)に分けられ、ユーザーがTempus上のAMMでそれらを取引できるようになるとともに、流動性供給によって手数料収入を得ることができます。これは、Element Financeなどの理屈と一緒で、将来得られる金利分を先に得ることで、効率的な資産運用を図るためのものです。

・Element Financeと同じ構造であれば、Principalトークンは、おそらくUniswapなどでETHにSwapでき、複利で運用可能なのだと思われます(現在はTestnet上なので確認できず)
・現在、Goeril test network上でTestnetが行われており、自由に操作ができます。よくも悪くもシンプルなUIという感じです。

・前述したとおり、Element Financeや今後ローンチ予定のSense protocolなどが競合になると思います。
・おそらく、どれもプロトコルの大きな枠組みは同じだと思われますので、運用するうえでどのようなアセットを利用できるかという点が差別化のポイントとなるのだと思っています。
・例えば、Element Financeは複数のステーブルコインやCurveのトークンを中心に運用が可能となっています。一方で、Tempusは、公式ドキュメントで「ステーブルコインなどの追加アセットを備えた複数のAMMを導入したくありません」と明言しており、あくまで最初はLidoを中心にプロダクトを展開していく方針のようです。
・ユーザーがCurveを中心に資産を運用しているのか、Lidoを活用しているかなどによって、どのプロダクトを利用するかが変わってくるかと思います。
・現在、Testnetを行なっていますが、間も無くメインネットがローンチ予定です。中長期的にはL2にも進出予定とのことで。この手のプロダクトは、様々な戦略がとれる一方、複雑化するほどトランザクションが増え、L1では高額なガス代がかかってしまうことが非常にネックだと感じます。早めにL2に移行することができれば、ユーザーの獲得にも寄与すると思われます。
・今後は、メインネットのローンチ、トークンセールなどが控えています。この分野のプロダクトも増えているので、どの程度存在感を示せるか、注目しています。
