最近は、トランプの関税政策などにより不安定な市場から、ステーブル運用がトレンドで、ステーブルコインを取り扱うPJもかなり多いです。いくつかのPJをまとめましたので、ステーブル運用を検討している方など是非ご覧ください。
デルタニュートラル戦略系ステーブル
Ethena
ステーブル系PJの圧倒的な知名度、市場シェアを占める、ステーブルPJの火付け役とも言えるPJです。
特徴:stETHの現物を保有し、先物でショートするという『デルタニュートラル戦略』を用いて、収益を内包したステーブル、sUSDeを発行し、ポジションから得られるファンディングレートをsUSDe保有者に分配することで利回りを獲得することができます。普通のドルとペッグをしていて、収益を内包していないものはUSDeと呼ばれ、EthenaのこれからローンチされるHyperliquidの競合であるEtherealのステーブルはeUSDeと呼ばれます。全部Pendleにおいてマーケットがあり、この市場で、安定的に8%以上の年利をついており、流動性も十分あることで鯨から愛されています。
ガバナンストークン:独自トークンENAを発行済み
エアドロ:すでに2回のエアドロ配布を行い、3月に3回目のエアドロのスナップショットを行い、配布予定。4回目のエアドロも行う予定で、ENAトークンは発行当初から高いFDVをつけており、現在もこの市況のなか5B近いFDVを誇ります。利回りのでないUSDeと利回りの出るsUSDeの保有でポイントを獲得でき、USDeは利回りが得られない代わりにsUSDeよりも高いポイントを取得できる。
利回り:4%(4月2日更新)※USDeはポイントのみの付与で利回りは発生しません。
メリット・デメリット:市場が良い時は、ファンデングレートが高くAPR30%をも超えることもある。しかし、裏を返すと利回りはFRに依存していることから、市況が悪いと現在のように4%ほどの利回りになりこともあり、市場の良し悪しに利回りが左右される。
Resolv
特徴:基本的にはEthenaと同様の仕組みを持つ、デルタニュートラル戦略をとるステーブルコインプロジェクト。特出すべき点は、Ethenaと異なり、USRとRLPデュアルトークンモデルを採用している点である。USRをステークしたトークンstUSRを所持する事で、安定した利回りを得る事ができ、市場が大きく動き、損失が出た場合に、その損失は被らないため低リスクで利回りを獲得できる。逆に、RLPは通常利回りをstUSRよりも多く受け取るが、市場により損失が出た場合、USRの損失を代わりに吸収するため、その際のリスクを受け入れる必要があり。つまり、任意で、安定した利回りを得るか、ハイリスクハイリターンの利回りを得るか選択肢しトークンを所持する事ができる。
ガバナンストークン:現在未発行であり、Q2に独自トークンRESOLVの発行を予定。
エアドロ:現在、TGEにガバナンストークンを獲得できるポイントプログラムを開催しており、USR、st USR、RLPの所持、Defi運用によりポイントを習得する事ができる。シーズン1はトークン発行まで行われ、発行後もシーズン2が行われる予定。
利回り:stUSR 7.74% RLP 14.77%→不安定、一時期RLPがマイナスに、USRがゼロイールドとなる事態もある。
メリット:Ethenaと同様デルタニュートラル戦略であることから市場が加熱している場合、高利回りになりやすく、特にRLPは高い利回りを得る事ができる。また、Cexに依存せず、ハイパーリキッドを戦略に取り入れるなど、見える化され、より透明性の高いことも評価できる。
デメリット:これもethenaと同様に市場が悪いと、利回りが低く、継続して市場が下落を続けると、RLPはリスクリターンが悪くなることがある。
Aster(旧Astherus)
特徴:YziLab(Binance Lub)から支援を受けているBNBエコシステム。プロダクトとしてはPerp運営から、デルタニュートラル戦略を用いたUSDFのステーブルコインの発行など、複数のプロダクトの開発を行っている。
ガバナンストークン:独自トークンは未発行だが、将来発行することを明言。
エアドロ:独自トークンにつながる、ポイントプログラムを実施中。Perp,asBNB,USDF,asUSDFの保有でポイントを獲得できる。
利回り:asUSDF APY2.2% ※USDFはポイントのみで利回りを得ることはできません。
メリット:BNBのエコシステムであり、バイナンスから融資を受けているため、トークンを上場した場合バイナンスに上場する可能性が高いため、asUSDFを保持することで、ポイントを獲得しつつ、利回りを獲得する事ができる。
デメリット:現時点でUSDFは、Ethenaとの差別化がなく、新規性がなく、利回りもEthenaやResolvに劣る。また、Aster自体現在Perp開発に力を入れている印象で、USDFを発展させていくことにあまり力を入れていない印象。デルタニュートラル系トークンとしては、Resolv、Ethenaより勝る点がない。
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Level Finance
特徴:USDCやUSDTを担保としており、預かった資金をDefi運用したり、リステーキングなどに用いることで収益をうみ、独自ステーブルトークンのlvlUSDをステーキングしslvlUSDを保有することで利回りの恩恵を受ける事ができる。
ガバナンストークン:発行は明言されていないが、ポイントプログラムが導入されているため発行の可能性は高い。
エアドロ:上記の通り、ポイントプログラムが導入されているため、トークン発行およびエアドロの可能性は高いが、不確定であるため、トークン発行の時期や詳細については未定である。
利回り:10.28% ※利回りはslvlUSDのみ付与されlvlUSDはポイントのみで、逆にslvlUSDはPendleやSpctraなどの特定のDefiを除いてポイントが付与されません。
メリット:市場が悪くなかなか大きい利回りを得る事ができない市場下の中で、他PJと比較しても高い利回りが得れるのが特徴である。4月上旬の利回りは、ResolvのstUSRやEthenaのsUSDEのデルタニュートラル戦略PJよりも高いAPRを出しており、最近Dorgonflyなどの大手VCから資金調達も行い、信頼感も高い。また、USRやUSD0などといった他ステーブルコインを預けてポイントをファーミングする事ができる。
デメリット:Defi運用による収益であることから、利回りが運用先のDefiに依存することから、米国債担保のステーブルなどと異なり、持続的に高いAPRを出せるかどうかは、不確定性が強い。また、lvlUSDに関しては、エアドロやトークンは不確定であり、利回りを放棄してポイントをファーミングしても100%トークンにつながるかどうか、リターンが不確実である。
Superform
特徴:Superformは、ステーブルやETHなどのトークンのイールドアグリゲートを行う、プラットフォームです。簡単に言えば、メインネットのプールにUSDCを預けたい時に、別チェーンに資金があるとすれば、一度自分でブリッジしてそのプールに預ける必要がありますが、Superformを使えばアグリゲート先のプールに、ワンクリックでSwap,ブリッジ,預入をやってもらえるという利便性の高いプロダクトです。また昨年末から、Super USDCという独自のVaultを開始し、Levelと同様にDefi運用を最適化しユーザーはより良い利回りを得る事ができる。
ガバナンストークン:現在未発行で、今後の発行の有無も不明。しかし、ポイントプログラムを導入しており、シーズン2が4月に終了。
エアドロ:独自ポイントのCredを導入しているため、トークンについては明言していないが、発行する可能性が高い。独自Vaultのほか、Superform経由で入れた資金全てがポイント対象になるため、Superformが対応しているプールであれば、一石二鳥戦略がとれ、使い勝手が良い。(ResolvやEthenなどに対応)
利回り:SuperUSDC 6.69%
メリット:AaveやMorphといった大手Lendingなどと提携し、Superformが対応しているプールのそれぞれの利回りを比較しながら、自身の入れたいプールにワンクリックで、デポジットしてもらえるという利便さ、独自vaultはLevelにやや劣るものの、他Lendingと比較し高い利回りを得ることが良い点。この市況で、順調にTVLを伸ばしており、プロダクトとしての成長が著しい。
デメリット:Level同様に利回りは、Defi運用からくるため、運用先のDefi利回りに依存しており、継続的に安定した利回りを出せるかは不明確である。(現在はコンスタントに6%前後の利回りを出している。)また、同様のDefi運用ステーブルのLevelより利回りがやや劣る。
Upshift
https://app.upshift.finance/pools/1/0x7383c2454D23A1e34B35ba02674be0a41Bd5aa56
特徴:Upshiftは、機関投資家向け取引インフラを提供するAugust Digitalによって運営されるプロダクトで、自社のAugustや同様の運営を行うMev Capitalなどと連携し、一般ユーザーがそれらの運営するvaultに簡単にアクセスし、より良い利回りを得ることを可能にするVault系PJです。
ガバナンストークン:未発行だが、4月から3ヶ月間続くポイントプログラムシーズン1を開始しており、独自トークンを発行する可能性がある。
エアドロ:トークン発行、エアドロの有無は未確定だが、ポイントプログラムが導入されていることから、ポイントに応じたトークンのエアドロが行われる可能性が高い。
利回り:Upshift USDC APY 6.95%
メリット:他Defi運用ステーブル同様、Vault管理者の高い利回り戦略により、Lendingに預けるよりも高い利回りを獲得できることが特徴。また、運営元のAugust Digitalは、DoragonflyやHack VCなどのVCから合計16Mの融資を受けており、信頼感がある。また、ポイントプログラムによりエアドロにつながる可能性があり、開始したばかりであることから早期ユーザーとして参入できる。また、リファもないことから、過度なファーミングが起こらない可能性が高い。
デメリット:利回りはVault管理者が運用するDefiに依存しており、利回りが運用先Defiの利回りに左右されるため継続して同じ利回りを維持できるかは不確定。
米国債担保型ステーブル
Usual
特徴:Ethenaのデルタニュートラル戦略とは異なり、米国債を裏付けとするRWA型のステーブルコインモデルを導入している。ユーザーがUSDCなどを用いて独自ステーブルトークンUSD0をミントし、受け取った資金を米国債に預け入れることで、米国債の利回りを得る事ができるというのが大きな特徴。
ガバナンストークン:独自トークンUsualを発行済み
エアドロ:去年の夏頃から年末にかけてポイントプログラムを行い、初期ユーザーにガバナンストークンを配布済み。現在、ポイントプログラムのようなエアドロ活動は行っておらず、USD0をステークしたUSD0++トークンに米国債の利回りに加えて、ガバナンストークンの配布を行っている。
利回り:APR10%(4月5日現在)※USD0は利回り、ガバナンストークンの付与はありません。
メリット:Ethenaのようなデルタニュートラル戦略と異なり、利回りは米国債収入から得られるため、クリプト市場の加熱の有無に左右されない。そして、米国債という信頼性の高い安全資産に裏付けされていることも、ボラリティやリスクのある仮想通貨トークン比べて安心感がある。
デメリット:クリプト市場が加熱している時は、デルタニュートラル戦略をとるPJよりも利回りが劣る。また、現在利回りの得る事ができるUSD0++はドルと1対1で償還するためには4年かかり、早期償還のためには一定のUsualトークンをBurnする必要があり、現在は、0.93ドル前後で取引されており、1ドルのペッグから外れている。
Noble
特徴:usual同様に米国債を担保にしており、独自ステーブルUSDNをミントすることで、米国債利回りを得る事ができる。他PJと大きく異なるのは、現時点でEVMではなく、Cosmos上に構築されている点である。
ガバナンストークン:現時点で未発行だが、ポイントプログラムを行っており、発行の可能性は高い。
エアドロ:4ヶ月にわたるポイントプログラムを導入しており、独自トークンを発行した際にポイントに応じたエアドロを行う可能性がある。
利回り:14.3%(基礎利回りは4.2%だが、ポイントを取るか利回りを取るか2種類から選択し、利回りを選んだ場合、ポイントを選んだ側の利回りを代わりに得る事ができるため高い利回りの獲得が可能。)
メリット:利回り側を選んだ場合、現時点で10%を超える他のステーブルと比較してもかなり高い利回りを手に入れる事ができる。また、VCもパラダイムなどの大手VCから融資を受けておりPJとしての期待値も高い。
デメリット:利回りかポイントかのどちらかしか取る事ができないため、利回りかエアドロのどちらかを放棄する必要がある。また、Cosmos上に構築されるため、EVMのPJよりもやや参入障壁が高い。
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