2024年初から1年以上記事を書いてきた。なかなか反響の大きかったものもあれば、今一つ反響のなかった(個人的にはめっちゃ好きなのに)ものまで様々ある。なので、この約1年の執筆活動のまとめを改めて行い、その経験をもとに"当たる記事"を書くコツを紹介しようと思う。
まず、記事を投稿した媒体に関してだが、
の4媒体だ。
これらのどの媒体を使用するかに関しては、クリプト系記事を書く上では大きな違いはないがXに関しては知人友人が読んでくれることが多かったように感じる。
ここから分かるのは、結局読んでくれる人はXのフォロワーに限定されるということだ。語弊を恐れずに別の言い方をすればXのインフルエンス力(フォロワーの質×量)が執筆活動における大きな力になる。
これは執筆時のモチベーションになったり、書いた記事の拡散力だったり、様々な側面でプラスに働く。
これを機会に執筆数を数え直してみたが、2024年から28本の記事を執筆していたようだ。月2本 + α程度で、執筆の内容に関しては
クリプト系 22本
英語系 1本
ダイエット 3本
AI系 2本
だった。
一番反応が良いのはもちろんクリプト系の記事で、かつ自分しか考えてない or みんな何となくわかってるけど言語化できてないものの反応が良かった。特にPrincipia of Cryptoは私の存在が知られるきっかけにもなったし、読んでくれた人や紹介してくれた人もたくさんいた。
あとは意外にもダイエット系も反応が良かった。
5.3万インプ😂 これはタイトル一本勝負みたいなところはあった。
記事を書くときに、読者として特定の人物のことを頭に浮かべながら書くことが多い。「この人この記事好きそうだな〜この人にドンピシャにハマる内容書いたろ!」みたいな感じで、ラブレターに近い感じだ。
これが面白いことに、頭に浮かべた人が絶対にいいねとRTをしてくれる。
DMとかメンションはまったくせずに、「記事書いた」とだけ。それでもだ。
これはターゲットとなる読者を明確に設定する、ということだ。サービスを作る上でも重要になる。
コピーライティングの能力は非常に重要だと思う。そして、この能力は日本語の記事を読むだけでは身につかないと思う。なぜかわからないが、クリプトに限らず広く遍(あまね)く日本語にはコピーライティングの考え方がそんなに広まってないみたいだ。
コピーライティングってなんだよ
って話なんですが、例えば
"オンチェーンハイパーカルチャー"
"アイデアは新しい石油"
"マルチヒットワンダー"
みたいなことだ。普通に記事を書いて世に出そうと思ったときに、上記のようなタイトルをつけますか?普通こんな名前つけないですよね。
でも、これはランダムに名前をつけてる訳ではなく、読者にまずは「ちょっと気になるな」と思わせ、記事をクリックさせる不思議な力がある訳だ。気をつけたいのは、単に奇抜な名前にすればいい訳ではないということだ。個人的に重要に思っているのが
その記事の中で最も伝えたいことをなるべく短く表現するなら何と表現するか
英語で2-4単語以内に表現する
比喩や造語を使っても良い。むしろその方が読み手の想像力を掻き立てる。
ただポエミーな表現ではいけない。それはただの自己満足で終わる。
という点だ。記事の中で書いたことを煮詰めて煮詰めまくって最終的に4単語以内で表現しろって言われたら、おそらく造語や比喩に頼らざるを得なくなる。これが面白いところだ。
また、記事に複数の内容を書いてしまうと、要点が複数生まれて4単語では表現しきれなくなることがある。個人的にそれは書きすぎのサインだと思うようにしている。そういう時は記事を分けた方が良い。
例えば自分が書いた記事を例に挙げると
"Hypercasual Finance"
は、コピーライティングの良例だと思う。
一つは"Hypercasual Game"という言葉に関しては多くの人が知っているというのがポイント。
GameをFinanceに置き換えただけで「なんだそれ?」と想像を掻き立てられた人は多くいたと思う。
コピーライティングに使えるワザみたいなのもいくつかあって、既存の言葉の一部を変えたり、造語としてHyper-, Super-という言葉を作ったり、XXX 2.0とか言ってみたり、様々ある。
いずれも安易にならずに、「本当にこの記事で伝えたいことは何なのか」を極限まで考え抜くことが大事だ。そして、あまりに難解・抽象的になりすぎずに、「タイトルをみた瞬間に何となく想像できるけど気になるなあ」という超良い塩梅の名前をつけてあげることが重要だ。
コピーライティングとはある種「今まで誰も名前をつけてなかったことに名前をつける行為」という側面もある。これはフレーミングと呼ばれる行為だ。そして
名前をつけることで初めて人は考えることができる
という興味深い現象がある。みんな何となく思ってたり、意識しなかったことというのはたくさんある。例えばパワハラとか弱男は最近できた言葉だと思う。しかし、それらは遥か昔から存在はしていた。存在していたけど、誰も何とも思わなかったし、深くも考えなかった。でも、そこに名前が与えられた途端に社会問題やニュースとして取り上げられるようになるし、人はそれについて考えるようになるのだ。
つまり、
明確じゃないけど何となくみんなが知ってる・感じてる・認識してる非常にぼやけた概念領域を見つけ、
その概念を区切るための言葉を用意すると、
みんなそのぼやけた概念領域にフレームを作り、
解像度高くその領域を見ることができ、
考えることができるようになる
という流れなのだ。
Principia of Cryptoではこのフレーミング・コピーライティングをかなり活用させてもらった。
つまり、個人的ないい記事のタイトルというのは
記事の内容を極限まで要約していて
みんながぼんやり考えていることをフレーミングしたもの
だと思う。
人には大きく二つの思考パターンがある。言語思考と視覚思考だ。
どちらか一つに分類される訳ではなくそこにはスペクトラムが存在するが、自分がどのあたりに位置するかを考えてみることは面白いと思う。
私はかなり視覚思考寄りで、図から先に作ってしまって後から文章を書くパターンが結構多いと思う。
あとは、基本的に図はモノトーンだけで作ってしまうのが良いと思う。これは伝えたいことの強弱をつける練習にもなるし、色盲の人とかにとっても良かったり、結構いろんなメリットがある。
例↓
図の作り方については実はまだ誰も言及していない個人的に深い哲学があるのだが、説明が長引いてしまうので一旦割愛したいが、
見た瞬間に直感的に理解できる
要素が少ない・シンプル
矢印や点線、色の使い方、コンポーネントの配置全てに理由がある
ことが重要だと思う。(例えばさっきの言語思考と視覚思考の置き方だが、左に言語思考・右に視覚思考を置いているのにも理由がある。)
個人的に何よりも重要なのは継続することだと思う。私は理系だし視覚思考なのでぶっちゃけ文章を書くことはとてつもなく苦手意識を持っていた。記事を書き始める前までの自分は
「絶対1,2本書いて、苦手だって再認識してやめちゃうわこれ」
と思っていたが結構続いている。なぜ続いているかを振り返ってみると
コピーライティングの面白さに気づいた
(次はどんな「名前のついてないこと」に名前をつけられるかな、とワクワクしている)
自分の頭だけにある考えや知識をみんなに伝えないともったいない、と思うようになっている
記事を書くといろんな人から反応をもらえてうれしい
特に「週に一本書く」みたいなルールを設けず、書きたいときに書くようにしている
記事を書いて批判されることへの不安を無視できている
ある種の研究や
この辺りが理由だと思う。
なので、「同じこと誰か過去に書いてるかもなー」とか懸念せずに、ほんとにだらだら好きなときに好きなことを書くという意識が大事かもしれない。
これはTikTokやYoutubeなどのファストコンテンツの流れを意識しているが、ほとんどの人は記事の文章を細かく見ていない、という前提で記事を書いている。
それでいいし、自分も普段は流し読み派なので全然OKである。
そんな読者のためにどういう書き方ができるかを考えるのもまた面白いことだと思う。
自分がどの分野の事柄に興味があって、どういった読者層が多いのかを認識することも大事だ。これは、期待されている記事がどんな内容であるべきかを決める要素にもなる。
また、フォロワー数を着実に増やしていくことも読者を増やす上で重要になる。これは鶏卵だとは思うが、記事を書き続けることでフォロワーが増えて、フォロワーが増えることで記事のクオリティが上がっていく。(書くべき記事の内容がよりそのフォロワーに刺さる内容になっていく)
ただ、難しいことを考える必要はなくて、自分が本当に興味と熱量を持って取り組める領域を見つけ、それに関してあなたなりの思うことを書き続けるだけで良いと思う。それがパーソナルブランドになっていくと思う。(パーソナルブランドとインフルエンス力は似てるけどちょっと違う考え方だと思う。)
https://hbr.org/2023/05/a-new-approach-to-building-your-personal-brand
これはUnpopular opinion(不人気な意見)かもしれないが、私は個人的にSEOを意識して書いたことはない。というか、そういうものに対して特に意識が薄い。でも、意識したほうがいいかもしれないとは思う。
ここで書いたものはあくまで私個人が意識していること、というだけであって必ずしもそれがベストプラクティスな訳ではない。また、20数本の記事を書いただけで何かを分かった気になったとも思っていないが、記事を書き続けることで「面白いなー」と思うことがいろいろと増えたし、自分としてもこだわりを持つ部分が増えたのは事実だ。その一部をここで皆さんに伝えることができていたら良いと思う。