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フィルムグレイン(短歌連作25首)

初めて作った短歌の連作です.短歌を始めて2ヶ月くらいの時に詠んだもので未熟な部分も多いですが,粗いところも含め当時ならではの歌だと思うので,ここに残します.

フィルムグレイン 青井力

復習に囚われている僕だから【こくご一上】杖にし生きる

空にしたガラス瓶またかしげては少年は飲むラムネ色の空

花笑んだあなたの顔に辞書を引く笑むには咲くの意味があること

耳隴(じろう)でもきこえるだろう群れの中そのワイシャツは伸びやかに揺れ

夕焼けに受け入れられた君の瞳(め)にカメラをのぞく僕がいること

マフラーをまいた少女の黒髪はまろんでここに青春はある

二日後にまた来た叔父が「生前のオヤジは、」という僕は生なに?

まだ僕を好きな気がする徒夢(あだゆめ)は同じ場面でいつも途切れる

花びらがぴたり貼りつくアスファルト枝垂れ桜の遺影と憶う

狼の遠吠えは我が身を誇るものかそれとも悲しむものか

また君と年が離れる。同い年だった頃の記憶を胸に

車椅子冷えた夜長に佇んで蝉と一緒に死ねばよかった

せまり来る天体のごと舞い降りる雪の余韻を耳奥に聞く

春がまた記憶の君の角だけをけずり過ぎゆくお元気ですか

二種類の若いスーツが交差する終わりと始まり三月一日

あぁせまいひくい苦しい多い。ねぇ東京みんな酸素足りてる?

ださくなるまで会えないしかっこいい今もう少しあなたと居たい

浴室の明かりを少し暗くしてソプラノサックス目を閉じてきく

雨音が天使を通すその隙にフードをかぶりゴミ捨てに行く

一刹那(いっせつな)なだれ込むそのまばゆさに初めて朝に満天という

哀傷を越え残るのは、俺の球筋懐かしむアイツの言葉

電線が射抜く桜の花たちは瞬きしても流星だった

自分色に相手を染めておそろいの唯一無二だねドレスペイント

窓につくフィルムグレイン天然のレコードノイズ世界よ眠れ

この星で生きていくことへの主張全ての青を髪に溶かして