近年多くのプロジェクトやコミュニティ、団体などが「DAO」と名乗っていることを多く見かけます。しかしそれらのDAOは「スマートコントラクトを使用して構築されているのか?」「マネタイズができており持続性があるのか?」「投票率はいかほどなのか?」「分散しているのか?」など多くの疑問が同時に浮かびます。
今回はDAOを数値化して評価するシステム「DAOMeter」についてご紹介します。

DAOMeterとは、StableLabが開発したDAOの成熟度を評価するためのレーティングシステムです。現在は、MakerDAOやAave、DYDXなど合計37のDAOを評価しています。
DAOMeterはStableLabによって提供されており、StableLabによって評価されています。
StableLabはStebleNodeというノードバリデーターやガバナンス周りを行う会社から派生して2022年に設立されました。現在はDAOMeter開発の他にMakerDAO、Aave、1inchなど合計10を超えるプロトコルやプロジェクトでプロデリゲーターとして活動しています。
「結局人の手で評価されているのかよ!」と思ったのですが、まあこの人たちが評価するのは納得です。またDAOMeterは評価の自動化を目指しているらしく、この問題もいずれは解決するでしょう。
DAOmeterはDAOの成熟度を6つのカテゴリー、合計30の項目100点満点で評価しています。

またその項目の効果を下に記述しました。
コミュニティは合計9の項目で評価されます。
コミュニティ管理者の有無
DAOの運営とコミュニケーションの向上定期的に発信されているレポートの有無
透明性、コミュニティエンゲージメント向上定期的な寄稿者の有無
コミュニティの活性化コントリビューターへの給与予算の有無
モチベーションの向上コントリビューターへの報酬の有無
モチベーションの向上と貢献の質の向上オンボーディングプロセスの有無
メンバーの質の向上オフボーディングプロセスの有無
メンバーの質の向上、リスクヘッジワーキンググループの有無
効率的なプロジェクト管理や専門性の向上DAOのコアチームの匿名性
実名の場合、信頼性向上
コミュニティ管理者やコントリビューターはDAOを活性化させるために重要な役割を担っています。それらの貢献者の質を高め、持続的に運営していくために報酬やオンボーディング、オフボーディングプロセスを制定することが必要です。またこれらの活動に対する透明性を担保することでコミュニティ全体のエンゲージメントを高めることができます。
投票権の保持者
ステーキングなどの条件を儲けることで悪意ある攻撃への対策投票へのアクセス方法
投票権と同様で悪意ある攻撃への対策投票に使われるツールの種類
オンチェーンで尚且つ難易度が低いツールの使用により、透明性、投票率の向上デリゲーターの有無
ガバナンスの委任がが可能。専門性の向上デリゲーターへの報酬の有無
デリゲーターのコミットメント向上デリゲーターのリストの有無
透明性の向上
投票はDAOの方向性を決める重要な要素です。意思決定を民主化する上で悪意のある攻撃への対策や透明性の向上が必要不可欠となっており、投票権やそれに使われるツールが非常に重要になってきています。またデリゲーターはガバナンスに専門性をもたらすDAO重要な役割を果たしています。
トレジャリーレポートの有無
トレジャリーの透明性の向上パブリックガバナンスリポジトリの有無
ガバナンスの透明性の向上ガバナンスのドキュメントの有無
ガバナンスの透明性の向上トークノミクスのドキュメントの有無
トークノミクスの透明性の向上DAOのコードがオープンソース
セキュリティの評価や改善。透明性の向上
ドキュメントはDAOの透明性を担保する上で必要不可欠な要素です。ドキュメントを整備し、定期的に更新することで透明性を向上させ、コミュニティの信頼度を向上させることができます。
セキュリティモジュールの分散度
セキュリティの向上セキュリティ監査の頻度
セキュリティの向上過去に大きな資金喪失があったか
?アドミンキーの有無
リスクの有無
DAOはスマートコントラクトを通じて運営されているため、常にハッキングリスクが存在します。そのためセキュリティモジュールの分散度やセキュリティの監査などを行い、セキュリティの向上に努める必要があります。
DAOのトレジャリータイプ
マルチシグにより、信頼性とセキュリティの向上DAOのトレジャリーソフトウェア
適切なソフトウェアを使用することでセキュリティと効率の向上DAOトレジャリー管理チームの有無
説明責任と信頼性向上トレジャリーの多様性
ボラティリティの軽減
トレジャリーはDAOを持続的に運営する上で重要な要素です。マルチシグやトレジャリーに多様性を持たせるなどして適切に管理することが求められています。
プロポーザル提出前の話し合いの有無
質とコミュニティの理解向上プロポーザルデータがオンチェーンか
透明性の向上
プロポーザルはDAOの活動や方針に影響を与えるため、慎重に検討し、ステークホルダーに説明する必要があります。プロポーザルに対して議論を行うプロセスをガバナンスプロセスに組み込むことで質の高いプロポーザルを作成することができます。
DAOMeterによるレポートはこちら
DAOMeterが定めている30の評価基準は健全なDAO運営において必要な項目が揃っており、一つの基準として捉えても良いなと感じました。しかし、DAOによって異なる方針や特性を持つためか、ほとんどのDAOがこれらの項目をクリアできていません。
次回はこれら各評価基準において現状のDAOの傾向を分析し、洞察します。
