CC0を活用したNFTアートプロジェクトの落とし穴
要約○ CC0は、NFTアートプロジェクトを盛り上げることに一役買っている ○ しかし、CC0は、2次創作の著作権をコントロールできない弱点を抱えている ○ この問題は、コピーレフトを盛り込んだライセンスを採用することで解決可能だNFTアートプロジェクトで注目されるCC0CC0を採用したNFTアートが注目されています。 CC0とは、著作権等を放棄し、著作物を誰でも自由に利用できる状態にすることです。 例えば、CC0が採用されたアートは、二次創作のNFTアートをMintしたり、マグカップにプリントして売ったりすることができます。 CreativeCommonsJAPAN「CC0について ― “いかなる権利も保有しない”」CC0 とは、科学者や教育関係者、アーティスト、その他の著作権保護コンテンツの作者・所有者が、著作権による利益を放棄し、作品を完全にパブリック・ドメインに置くことを可能にするものです。CC0によって、他の人たちは、著作権による制限を受けないで、自由に、作品に機能を追加し、拡張し、再利用することができるようになります。CC0は、著名NFTプロジェクト「Nouns」がこ...

ブロックチェーンの商業利用の普及
本稿は、名著「イノベーションの普及」を片手に、ブロックチェーンが「双方向イノベーション」であるとの視点から、その商業利用の普及について予想する。イノベーションとしての特性多くの人が既に指摘しているが、私は、ブロックチェーンをネットワーク外部性の高いイノベーションであると理解している。そして、このような性質から、ブロックチェーンは、エベレット・ロジャーズの言う「双方向イノベーション」であると私は考えている。 同種のイノベーションには、歴史上、電話、ファックス、eメールなどがあった。 このようなイノベーションには、「採用者がコミュニケーションしたいと思っている他の人も使用しない限り、それを採用した人にはほとんど役に立たない」(エベレット・ロジャーズ「イノベーションの普及」)という性質がある。 例えば、eメールは郵便と比べて、比にならないほど効率的に情報を伝達することができる。しかし、自分の属するコミュニティのメンバーがeメールを採用していない場合、相手方が情報を受領できないため、郵便より劣る。eメールの真価は、みんながこれを採用することで発揮される。 ブロックチェーンも同様のことが起...

MEV×AccountAbstractionに挑戦して撤退した話
この一年間、MEV×AccountAbstractionという領域に挑戦し、そして、撤退した。 この記事は、撤退の理由を中心に書く。これを過去への手向とする。想定読者MEVとAccount Abstractionに関心がある人MEVないしAccount Abstractionに関する記事を10個くらい読んだことがある人MEVまたはAccount Abstractionに不慣れな人は、末尾の参考文献から読んでほしい挑戦について目指していたこと私は、ERC-4337の導入によって新たに生まれるMEV市場を適正な競争環境にすることを目指した。 この志には、(主に)Ethereumのブロックビルディングの過程が、何者かによって独占・寡占されて、検閲が発生することを回避するという、さらに上位のお題目があった。MEVに対する世界観当時の、私のMEVに対する世界観によれば、ブロックビルディングの理想的な状態は、放置しておくと独占・寡占化が進むMEV市場に対して、これを回避する力学を働かせ、競争環境が常に活発になるように構造化することであった。 これは、できるだけ多くのsearcher(MEV抽...
crypto boy unemployed / bulid inclusive internet.
CC0を活用したNFTアートプロジェクトの落とし穴
要約○ CC0は、NFTアートプロジェクトを盛り上げることに一役買っている ○ しかし、CC0は、2次創作の著作権をコントロールできない弱点を抱えている ○ この問題は、コピーレフトを盛り込んだライセンスを採用することで解決可能だNFTアートプロジェクトで注目されるCC0CC0を採用したNFTアートが注目されています。 CC0とは、著作権等を放棄し、著作物を誰でも自由に利用できる状態にすることです。 例えば、CC0が採用されたアートは、二次創作のNFTアートをMintしたり、マグカップにプリントして売ったりすることができます。 CreativeCommonsJAPAN「CC0について ― “いかなる権利も保有しない”」CC0 とは、科学者や教育関係者、アーティスト、その他の著作権保護コンテンツの作者・所有者が、著作権による利益を放棄し、作品を完全にパブリック・ドメインに置くことを可能にするものです。CC0によって、他の人たちは、著作権による制限を受けないで、自由に、作品に機能を追加し、拡張し、再利用することができるようになります。CC0は、著名NFTプロジェクト「Nouns」がこ...

ブロックチェーンの商業利用の普及
本稿は、名著「イノベーションの普及」を片手に、ブロックチェーンが「双方向イノベーション」であるとの視点から、その商業利用の普及について予想する。イノベーションとしての特性多くの人が既に指摘しているが、私は、ブロックチェーンをネットワーク外部性の高いイノベーションであると理解している。そして、このような性質から、ブロックチェーンは、エベレット・ロジャーズの言う「双方向イノベーション」であると私は考えている。 同種のイノベーションには、歴史上、電話、ファックス、eメールなどがあった。 このようなイノベーションには、「採用者がコミュニケーションしたいと思っている他の人も使用しない限り、それを採用した人にはほとんど役に立たない」(エベレット・ロジャーズ「イノベーションの普及」)という性質がある。 例えば、eメールは郵便と比べて、比にならないほど効率的に情報を伝達することができる。しかし、自分の属するコミュニティのメンバーがeメールを採用していない場合、相手方が情報を受領できないため、郵便より劣る。eメールの真価は、みんながこれを採用することで発揮される。 ブロックチェーンも同様のことが起...

MEV×AccountAbstractionに挑戦して撤退した話
この一年間、MEV×AccountAbstractionという領域に挑戦し、そして、撤退した。 この記事は、撤退の理由を中心に書く。これを過去への手向とする。想定読者MEVとAccount Abstractionに関心がある人MEVないしAccount Abstractionに関する記事を10個くらい読んだことがある人MEVまたはAccount Abstractionに不慣れな人は、末尾の参考文献から読んでほしい挑戦について目指していたこと私は、ERC-4337の導入によって新たに生まれるMEV市場を適正な競争環境にすることを目指した。 この志には、(主に)Ethereumのブロックビルディングの過程が、何者かによって独占・寡占されて、検閲が発生することを回避するという、さらに上位のお題目があった。MEVに対する世界観当時の、私のMEVに対する世界観によれば、ブロックビルディングの理想的な状態は、放置しておくと独占・寡占化が進むMEV市場に対して、これを回避する力学を働かせ、競争環境が常に活発になるように構造化することであった。 これは、できるだけ多くのsearcher(MEV抽...
crypto boy unemployed / bulid inclusive internet.

Subscribe to askyv

Subscribe to askyv
Share Dialog
Share Dialog
全てのweb3プロダクトは、ポンジとエンタメの両方の性質を持っているのではないか。
STEPNは、ポンジとエンタメ(価値の消費活動)の両方の性質を併せ持つように見える
コミュニティがプロダクトを良くするための動機付け・対価として機能するto earnは悪ではないのではないか
先日、STEPNが「Are all P2E games a ponzi?」という記事を公開しました。
https://coinmarketcap.com/alexandria/signals/26001
私たちは、有志が日本語訳したものを見ることができます。
https://note.com/kuro_at_web2/n/nfbe66cd8a8a2
私はSTEPNをプレイしたことがありません。そして、これまで、Twitterで囁かれる言説から、STEPNはポンジであり、悪質なプロダクトと切り捨ててきました。
一方で、単なる「不理解」から頭ごなしに「否定」するのは、よくないのではないかと警鐘を鳴らす自分がいます。もしかしたら、STEPNは革新的すぎて、人類がまだ理解できていないだけではないかと考える自分がどこかにいます。
そして、不思議なことに、私が「この人はweb3の思想に確信を抱いている」と思う人たちは、web3が「ポンジでもある」ことをどこかで受けれているようにも感じます。

まず、ポンジスキームとは、新規参入者が投入した資金を、先行参入者に分配するスキームであるとここでは整理します。ポンジスキームでは、次の新規参入者を呼び込み続ける限り、参入者は資金を得ることができ、原資を回収することも可能です。他方で、新規参入者の増加が止まると、既存参入者に資金を渡すことができなくなり、原資を回収できなくなる人も現れます。
そして、エンタメとは、人を精神的に満足させ、人がそれに対してお金を払ってでも得たいと思う体験です。私たちは、映画やゲーム、テーマパークなどを提供する主体にお金を払ってその体験を得ています。(ここに当てはめるものは「エンタメ」でなくても、人が価値を感じるもの、消費の対象となるものであればなんでもいいと思います。現状のweb3では、エンタメを提供することを標榜するプロダクトが多いと考え、エンタメについて考察しています。重要な特徴は「お金を払ってするもの」であることです。)
そして、web3のプロダクトは、ポンジとエンタメの両方の性質を合わせ持ち、かつ、両性質の濃淡によって特徴づけられているのではないかという仮説が私の中で生まれました。
STEPNは、スポーツアクティビティ、健康、カーボンニュートラルへの貢献といった体験を提供しているエンタメの側面があると思います。ジムでのトレーニングや植林活動のように、私たちは、これらのエンタメをしばしばお金を払って体験します。
他方で、STEPNを始めるためには、スポーツシューズに見立てたNFTを購入する必要があり、その購入に充てられた資金は、おそらく既存参入者が利確するための資金源となっています。したがって、STEPNには、ポンジの側面があることを否定するのは難しいように思います。
STPENのエンタメ要素を楽しんでいる人にとって、参入時の原資を回収できないことはさほど問題ではありません。なぜなら、エンタメの享受という形で、支払った金銭の対価を得ているためです。他方で、STPENのポンジとしての側面を動機とする人にとっては、STPENで稼げないことは大問題です。彼らは、映画館のスクリーンの前で2時間も座っているのに時給が発生しないのはおかしいと考えます。
ここまで考え、私は、エンタメの要素を充実させているP2Eゲームは悪ではないと思うようになりました。Kawaくんの下記のツイートは、以上のことを端的に表現していると、私は思いました。
https://twitter.com/gdvonly/status/1511206744034529284?s=21&t=vJb4LOW7Alc9ZGMx5T4hNA
一つの疑問が生まれます。
真に価値がある「エンタメ」であれば、「to earn」を実装しポンジの要素を取り込む必要などないのではないかという疑問です。
この疑問について、私は、「完成されたエンタメ」について「to earn」を謳うことについては、擁護するのが難しいと考えます。エンタメそのもの良さだけで勝負をすればいいところを、その良さとは別にある投機性の誘惑によって、人とお金を集めているためです。
ところが、エンタメをさらに面白く、さらに人々を熱中させるものにアップデートさせることができ、さらにそのアップデートがコミュニティによって行われるとしたらどうでしょうか。
すなわち、コミュニティメンバーの貢献によって、エンタメがより良いものとなるなら、その貢献者は適切な対価を受け取るべきです。もしも、この対価のことを「to earn」と呼ぶなら、それは決して悪ではないと私は考えます。
STEPNのNFTホルダーで、オフラインイベントが開催されていることを見聞きしたことがあります。STEPNが、提供するエンタメ要素の1つであるスポーツアクティビティは、1人でするよりも多人数で行ったほうが大きな満足感が得られると思います。STEPNのホルダーによって「定期的なオフラインイベントの開催」という要素が追加されたことで、STEPNのエンタメ性は強化されたと言えます。そして、エンタメ性が強化されることは、STEPNの魅力を強め、新規参入者を増やす要因になります。もしも、これらの貢献の対価として、貢献者に金銭が支払われているのなら、それは健全な対価ではないでしょうか(現状のSTEPNが、このような貢献を適切に評価できる仕組みになっているかについては大きな疑問が残ります)。
コミニティがプロダクトを「より楽しむ」ために行動した結果、なんらかの価値を受け取るなら、その「P2E」は悪ではないと私は思います。

私は、web3の特徴の1つを、コミュニティによるプロダクトの直接所有であると考えています。これは、プロダクトの運営主体である株式会社を介して、株主がプロダクトを間接的に所有する株式の仕組みと対比されます。コミュニティには、自らが所有するプロダクトの価値を高める金銭的な動機があります。そして、プロダクトの価値を高めるアクションは、プロダクトそのものを良くするアクションと同じ方向性を持ちえます。
株主が、会社経営を良くするために議決権を行使した結果、会社の収益が向上し、株式の価値が上がりました。株主総会 to earnでしょうか?
全てのweb3プロダクトは、ポンジとエンタメの両方の性質を持っているのではないか。
STEPNは、ポンジとエンタメ(価値の消費活動)の両方の性質を併せ持つように見える
コミュニティがプロダクトを良くするための動機付け・対価として機能するto earnは悪ではないのではないか
先日、STEPNが「Are all P2E games a ponzi?」という記事を公開しました。
https://coinmarketcap.com/alexandria/signals/26001
私たちは、有志が日本語訳したものを見ることができます。
https://note.com/kuro_at_web2/n/nfbe66cd8a8a2
私はSTEPNをプレイしたことがありません。そして、これまで、Twitterで囁かれる言説から、STEPNはポンジであり、悪質なプロダクトと切り捨ててきました。
一方で、単なる「不理解」から頭ごなしに「否定」するのは、よくないのではないかと警鐘を鳴らす自分がいます。もしかしたら、STEPNは革新的すぎて、人類がまだ理解できていないだけではないかと考える自分がどこかにいます。
そして、不思議なことに、私が「この人はweb3の思想に確信を抱いている」と思う人たちは、web3が「ポンジでもある」ことをどこかで受けれているようにも感じます。

まず、ポンジスキームとは、新規参入者が投入した資金を、先行参入者に分配するスキームであるとここでは整理します。ポンジスキームでは、次の新規参入者を呼び込み続ける限り、参入者は資金を得ることができ、原資を回収することも可能です。他方で、新規参入者の増加が止まると、既存参入者に資金を渡すことができなくなり、原資を回収できなくなる人も現れます。
そして、エンタメとは、人を精神的に満足させ、人がそれに対してお金を払ってでも得たいと思う体験です。私たちは、映画やゲーム、テーマパークなどを提供する主体にお金を払ってその体験を得ています。(ここに当てはめるものは「エンタメ」でなくても、人が価値を感じるもの、消費の対象となるものであればなんでもいいと思います。現状のweb3では、エンタメを提供することを標榜するプロダクトが多いと考え、エンタメについて考察しています。重要な特徴は「お金を払ってするもの」であることです。)
そして、web3のプロダクトは、ポンジとエンタメの両方の性質を合わせ持ち、かつ、両性質の濃淡によって特徴づけられているのではないかという仮説が私の中で生まれました。
STEPNは、スポーツアクティビティ、健康、カーボンニュートラルへの貢献といった体験を提供しているエンタメの側面があると思います。ジムでのトレーニングや植林活動のように、私たちは、これらのエンタメをしばしばお金を払って体験します。
他方で、STEPNを始めるためには、スポーツシューズに見立てたNFTを購入する必要があり、その購入に充てられた資金は、おそらく既存参入者が利確するための資金源となっています。したがって、STEPNには、ポンジの側面があることを否定するのは難しいように思います。
STPENのエンタメ要素を楽しんでいる人にとって、参入時の原資を回収できないことはさほど問題ではありません。なぜなら、エンタメの享受という形で、支払った金銭の対価を得ているためです。他方で、STPENのポンジとしての側面を動機とする人にとっては、STPENで稼げないことは大問題です。彼らは、映画館のスクリーンの前で2時間も座っているのに時給が発生しないのはおかしいと考えます。
ここまで考え、私は、エンタメの要素を充実させているP2Eゲームは悪ではないと思うようになりました。Kawaくんの下記のツイートは、以上のことを端的に表現していると、私は思いました。
https://twitter.com/gdvonly/status/1511206744034529284?s=21&t=vJb4LOW7Alc9ZGMx5T4hNA
一つの疑問が生まれます。
真に価値がある「エンタメ」であれば、「to earn」を実装しポンジの要素を取り込む必要などないのではないかという疑問です。
この疑問について、私は、「完成されたエンタメ」について「to earn」を謳うことについては、擁護するのが難しいと考えます。エンタメそのもの良さだけで勝負をすればいいところを、その良さとは別にある投機性の誘惑によって、人とお金を集めているためです。
ところが、エンタメをさらに面白く、さらに人々を熱中させるものにアップデートさせることができ、さらにそのアップデートがコミュニティによって行われるとしたらどうでしょうか。
すなわち、コミュニティメンバーの貢献によって、エンタメがより良いものとなるなら、その貢献者は適切な対価を受け取るべきです。もしも、この対価のことを「to earn」と呼ぶなら、それは決して悪ではないと私は考えます。
STEPNのNFTホルダーで、オフラインイベントが開催されていることを見聞きしたことがあります。STEPNが、提供するエンタメ要素の1つであるスポーツアクティビティは、1人でするよりも多人数で行ったほうが大きな満足感が得られると思います。STEPNのホルダーによって「定期的なオフラインイベントの開催」という要素が追加されたことで、STEPNのエンタメ性は強化されたと言えます。そして、エンタメ性が強化されることは、STEPNの魅力を強め、新規参入者を増やす要因になります。もしも、これらの貢献の対価として、貢献者に金銭が支払われているのなら、それは健全な対価ではないでしょうか(現状のSTEPNが、このような貢献を適切に評価できる仕組みになっているかについては大きな疑問が残ります)。
コミニティがプロダクトを「より楽しむ」ために行動した結果、なんらかの価値を受け取るなら、その「P2E」は悪ではないと私は思います。

私は、web3の特徴の1つを、コミュニティによるプロダクトの直接所有であると考えています。これは、プロダクトの運営主体である株式会社を介して、株主がプロダクトを間接的に所有する株式の仕組みと対比されます。コミュニティには、自らが所有するプロダクトの価値を高める金銭的な動機があります。そして、プロダクトの価値を高めるアクションは、プロダクトそのものを良くするアクションと同じ方向性を持ちえます。
株主が、会社経営を良くするために議決権を行使した結果、会社の収益が向上し、株式の価値が上がりました。株主総会 to earnでしょうか?
<100 subscribers
<100 subscribers
No activity yet