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トークノミクスを理解しないと成功しない

Tokenomics(トークノミクス)はクリプトプロジェクトにおいて最も重要な項目の一つ。

「トークノミクスを理解しないと成功しない」という人も中にはいます。

今回はCovduk氏の協力を得てトークノミクスについてまとめました。

プロジェクトやトークンに関する前提知識がないと少し難しい内容かもですが、できるだけ分かりやすくまとめたので本記事を読んでトークノミクスについて詳しくなりましょう。

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トークノミクスとは?

まず「トークノミクスとはなにか」と言われると一般的には、トークンの絡んだ経済やインセンティブという抽象的なものを指す言葉です。広義として以下のようなものを含みます。

  • トークンの仕組み

  • 需要と供給

  • トークンにまつわるメカニズム

  • インセンティブ、心理学、行動学

  • ゲーム理論

などなど、トークノミクスの語源にもなっている「Token」の「Economics」、経済の部分ですね。

需要と供給

「トークノミクス=需要と供給」と過言ではないぐらい重要なポイント、まずはわかりやすいトークンの供給の部分から順番に見ていきましょう。

トークノミクスで生み出すトークンの供給

供給量をコントロールすることで簡単にトークンに希少性を出すことが可能です。

例えば需要が一定である場合、市場への供給量が少ないほど希少性により価値が上昇します。

プロジェクトにおいては、トークンの価値を維持・上昇させるために、供給量を固定して過度なインフレを防ぐなどの工夫をいくつか行っています。

  • Bitcoin

Bitcoinを例に上げるとわかりやすいかもしれません。Bitcoinが通貨や資産として優れていると言われる理由の一つとしてこのトークノミクスが関係しているからです。

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Bitcoinの最大供給量は2100万枚で固定されており、すでに約90%に値する1910万枚が発行されています。ちなみにすべての供給予定量が一気に放出されるわけではありません。

しかし、仮にいまの供給量が突如2倍になったらどうでしょう?

昨日まで買えなくてプレミア価格だったPS5が、どこの店舗にも潤沢な在庫数になったイメージです。供給量が増加するともちろん価値は下がることが予測されます。

話が少し脱線しますが、実はいま似たようなことが起きようとしているのをご存知でしょうか?

  • Mt.Gox事件のBitcoin返還

供給量の変化によってもたらされる影響について懸念されているものの一つとして、8年前に人気だった取引所「Mt.Gox」から多くのBitcoinが盗まれたMt.Gox事件があります。

事件によって失われた137,000BTCが返還されようとしています。

Bitcoinの供給量から見ると1%未満なものの、実際のところ毎日100%が現物で取引されて循環しているわけではないので、相当な売り圧になるとの予測もあります。

自分も市場価格に大きな影響を与えると感じており、この件に関してはツイートもしくはmirrorに改めて投稿します。

希少性の維持

希少性が維持される条件として、上で挙げたBitcoinの方法など主に3つ存在します。

  • 最大供給量の決める(固定する)

  • 一部をBurnするトークン設計

  • トークンの紛失(いわゆるセルフGox)

トークノミクスが不十分なものは、最大供給量および供給を定期的にコントロールして減らす仕組みがない事が多い。

Burnするトークン設計

トークンは発行(Mint)とは逆の焼却(Burn)をすることもできます。

やっていることは、自社株を買い戻しているのと似ています。

この仕組を採用している主要な暗号資産にはEthereumやBNBなどが挙げられる。今回はEthereumを例に見てみましょう。

  • Ethereum

Ethereumのマイナー報酬は大きく分けて、Static Base Reward(基礎報酬)の2ETHと、トランザクション手数料のチップの2種類が存在し、それらの合計がマイナーに支払われます。

上のBurnの仕組みになったのはEIP-1559。手数料(ガス代)のマーケットメカニズムの変更に伴い、トランザクション手数料のチップを除くBase Fee(基本手数料)の部分をBurnする仕組みなりました。

EIP-1559が採用されてからはEthereumのインフレの進行は遅まるどころかデフレトークンになりました。デフレトークンについては下で改めて説明しています。

このような形で、定期的もしくは何かをトリガーにBurnする仕組みを採用することで意図的に供給量のコントロールを行うこともできます。

供給量<供給率と時間軸

ここまで供給について話してきましたが、あくまで重要なのはトークンの総数ではないです。

  • 現在のトークン供給量

  • 現在のトークン供給率

  • 残りのトークンを発行する時間軸

この3つがトークンの供給にかかわる数字、要するに指標として存在します。

仮にあるトークンの設計として、最大供給量を1億枚に設定していたとします。しかし、いまは30%の3000万枚しか市場に出回っていません。この場合は、残りの70%が大きな売り圧などになる可能性があり、トークンの価格に影響を与える可能性が大きくなってしまいます。

そこで時間をかけてトークンを残りの発行してみます。トークンの残り70%を10年かけて放出したとしましょう。その場合、トークン放出による市場価格への影響はかなり小さいと言えるでしょう。

でも70%を向こう1ヶ月で放出する場合はどうでしょう。最悪ですね、大きな売り圧になります。

このように供給量よりも供給率と時間軸が設計の上で非常に重要になってきます。

弊社ではトークンの設計やトークノミクスに関するご相談を受け付けております。些細なことでも大丈夫なのでお気軽にお問い合わせください。

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インフレトークン

上でトークノミクスの悪い例として挙げたものの中にインフレトークンを言うものが存在します。

  • 供給量が一定じゃない

  • 無限に供給(発行)される

  • Burnの設計が一切ない

供給量の増加に比例し、価値が減少する。いわゆるインフレですね。

DOGEがその代表的な例として挙げられます。供給率は一定数(1分毎に1万枚)で、流通量に上限はありません。

デフレトークン

インフレトークンとは反対にデフレトークンも存在します。

  • 供給量が一定

  • 供給量が減少していく

  • Burnの設計がされている

デフレトークンは供給量を制限し、希少性を高めるという意味でとても良いことです。

時価総額とFDV

現在のトークンの価値を測る指標として、トークンの価格の他に時価総額とFDVが存在します。

時価総額は聞き慣れている言葉だと思いますが、FDVはどうでしょう。

  • 時価総額

時価総額とは、現在流通している額の総数で、現在の価格×流通量で計算できます。

  • FDV

FDVとは、Fully Diluted Valuationの略で、日本語では完全希薄化価格といい、今後流通予定のものを含んだ数量の額の総数を指します。現在の価格×最大供給量で計算できます。

ここからは上の2つを例を上げて具体的に見ていきましょう。

例えばあるトークンAの現在の価格が1ドルだとします。100枚のトークンが流通しており、最大供給量は1,000枚です。

この場合、時価総額は1×100で100ドル。FDVは1×1000で1,000ドルとなります。

時価総額とFDVの比率

時価総額とFDVの比率は、現在供給済みのトークンの割合を示します。

トークンAの場合は1000÷100で10になり、より1に近い小さい数のほうが残りの供給量が少ないです。現在進行形で放出が進んでいるBitcoinは2100÷1910で1.099でかなり1に近い数字です。

時価総額とFDVに大きな差がある場合は、この比率が大きくなり、まだ供給予定のトークンの多くがロックされており時間が経過するごとに放出され希薄化が進みます。

どちらかといえば、プロジェクト運営側というよりもユーザー側の視点になりますが、供給の時間軸(タイミングやスケジュール)、どこからどこに供給れるものなのかを確認しておくことが賢いです。

プロジェクトの成長速度より早いトークン供給によるインフレは大きな売り圧になります。

なので運営側もそこは気をつけて設計する必要があるでしょう。

トークンアロケーション

過度な供給や集中する供給が価格に対して与えるダメージが大きいことはここまで説明してきました。

過度な供給は仕組みで防げますが、集中する供給はMt.Gox事件しか話してませんでした。

起こりうる事例として実際どのようなものがあるでしょう。トークンの販売の部分から見てみます。

  • プライベートセール

  • フェアローンチ

プライベートセールの場合、ローンチ時のトークン価格よりも大幅に割り引かれていることが多く、個人投資家以外にもVCなどがこのラウンドから投資を行いますが、権利が確定するまでには一定期間のロックアップが存在することが一般的です。COINLISTのIEOに参加経験のある人はわかりやすいと思います。

この場合、ロック期間が終わったときに一定の売り圧が発生する可能性が高くなります。

一部回避する方法として、ロックアップ解除の時期をずらしたり、従来より長いロックアップ期間を許容してくれる投資家に対して、割引や多くステーキング報酬を付与インセンティブを付与する対処を行っています。

このような情報はCoinGeckoやCoinMarketCap等のサイトには載ってないことが多いので、代わりに公式のドキュメント等を見に行く必要があります。

VCが生み出す売り圧

すべてのVCが圧力になるとは限りません。あるティア1クリプトVCは、「ロック期間が終わっても一切トークンを売ることはない。」と話してたような、してないような。

トークンを手放す条件、要するに利確を行う条件として下記が考えられます。

  • 市況の悪化

  • 運用ファンドの不調

  • ロック解除時のインフレ率

など、アンロック時に売るインセンティブがどうしても強くなる状況がある。ここは運営側で制御できない部分の不可抗力も大きく、売られることを防ぐことは難しい。では、対策として何ができるのか。

初期供給量の調整

初期供給量を少なくしてしまえば、売られる額が市場供給量と比べて相対的に少なくなるから価格変動を極限まで押さえられるのではないか!実はこれは間違っています。

硬い投資家はなぜBitcoinやEthereumを選ぶのか。それは希少性による資産性ですよね。これからの供給による希薄化が少ない、要するにHODLするインセンティブ(値上がりへの期待)の方が大きく、今手放すインセンティブが少ない設計に見せることができているからです。

極端な話、初期供給量が10%のトークンの場合残りの90%を徐々に供給していく形となります。そうなると初期供給量が10%より大きいトークンよりも、初期投資家に与えるダメージは同じ成長度のプロジェクトだとしても比較して大きいと言えるでしょう。

供給のトークン設計の分析方法

投資家は下記項目を重点的に見る必要があり、運営サイドも注意する必要がある。

  1. トークンの流通量

  2. 供給量の上限があるかどうか

  3. ロックアップ解除のタイミングと割合

  4. Burnの設計を採用しているかどうか

  5. トークン供給のメカニズム

  6. トークンのインフレ率

  7. 供給増加による売却インセンティブ

  8. ロック解除時のインフレ率

トークノミクスで生み出すトークンの需要

ここまではいずれも、トークンの供給に関するもので、ここからはトークンの需要について見ていきましょう。

どんなに供給のメカニズムを工夫して希少価値のあるものができたとしても、需要がなければなんの価値も生まれません。

いま私が寝起きのセルフィーをNFTとしてミントしました。今後追加での発行予定はなく紛れもない1/1です。いままでの話を見ていると、この上なく最高の希少性だとわかりますが、誰もこんなもの要りません。

需要とは様々な条件によって成り立っているのです。

  • 今後生まれる価値と収入

  • 実用性があるかどうか

  • 投機、ミームなど

需要を適切にコントロール下に置くことで、リスクを取ってくれた初期参入者に対してインセンティブを発生させたり、トークン価格の上昇として還元することはどのプロジェクトも取り組むべき事項の一つです。

ユーティリティ

ユーティリティには様々な形が存在します。

  • 問題を解決するプロダクトやサービス

  • ガス代(チェーンのネイティブトークンなど)

  • プロトコルで利用されるトークン(ガバナンストークンなど)

  • 楽しみの提供(GameFi、音楽など)

  • コミュニティやイベント(BAYCなど)

利回りなどのインセンティブ

トークンを保有することによって報酬を得ることができる仕組みは大きな需要に繋がります。

たとえば、RocketPoolでETHをステーキングすると4.03%、Lidoだと3.9%のAPRで報酬がもらえます。

また単なる金銭的な報酬だけじゃない場合も存在します。

ガバナンス

トークンを保有するメリットとして、ガバナンスの権利が得られるというものがある。

しかしこれは一般的なホルダーからして果たして魅力的なものなのだろうか?

一定数の需要はあるにしろ。ユーティリティがコレだけでは盛り上がりにかける。

高いAPY

魅力的に見えるように高いAPYを見せて人とお金を集める手法がある。

実際魔界などの別名を持ち人とお金が集まっているのでれっきとした需要と言えます。

しかし、このAPYは一時的なものでお金が2倍流入すると半分の利回りになる。いくつかのプロトコルでは利回りを保証するものもあるがごく一部です。

高いAPYは非常に魅力的だがリスクも存在する。

利回りは低下する上に、トークンの価格も供給量が無限に増加していくので低下していくことが予想される。売ることもロクにできないゴミを保有しているも同然になることも多い。

ちゃんとしたサービスをローンチしたい場合は運営はなるべく避けるべき判断であることは確か。しかし設計によっては高APYも提供可能になるかも。

リベース

この手法はOlympusが導入したもので、株式分割に非常に似ています。

ホルダーは従来どおり、ステーキングを行うことでトークンを報酬として受け取ることができます。

しかし供給は増加を続けるので、希薄分をステーキングしたトークンで受け取ることで事実上の保有比率を変えずとも運用可能にしました。

いまでも高い290%の利回りを提供していますが、去年末は8,000%以上の高APYでした。

Airdrop

特定の条件を満たすユーザーにトークンを無料で配布する手法です。

コアなファンを作る意味でも、金銭的なインセンティブが得られるという期待感からも、運営・ユーザー共に人気の昔からある手段です。

トークンを保有もしくはステーキングすることで、Airdropの対象になるケースや、抽選で配布を行うパターンがよく見られますが、先行利用してくれているユーザーに配布する事もあれば、自分たちのサービスではない特定のプロトコルを利用しているユーザーにばらまく場合もあります。

最近だとCosmosのエコシステムでのエアドロが人気だとか。

ステーキングトークン

ステーキングして報酬が得られる仕組みはトークンの重要を生み出す仕組みとして非常に有用ですが、その文脈で更にブーストさせる方法が存在します。

ステーキングトークンとは、ステーキング及びロックしたトークンと引き換えに発行されるトークンのことです。

スキーキングトークンを担保に暗号資産を借りたり、更に運用することができるのが魅力です。

例えばLidoの場合、1ETHをステーキングすると引き換えに、1stETHを受け取ります。

この1stETHはDEXに流動性供給をおこないファーミングを行ったり、AAVEではstETHが担保として認められているので、stETHを担保にETHを借りてレバレッジステーキングができます。

普通にステーキングよりもこのような形で更に運用できたほうがより多くの報酬が受け取れるので、トークンの需要は更に増すでしょう。

投機とミーム

人はお金が大好きで、もちろん投機も大好きです。私たちのこの感覚と同じように、市場も完全な合理性を持って動いているわけではないのが現状です。

他の人が買っているから、信頼できるインフルエンサーが紹介していたから、前のコレクションも価格が上がったから今回のも買っておけば稼げる、やはりFOMOのようなものもあるだろうか。

ミームも一種の投機ではないか。クリプトは今までミームによって多大な恩恵を受けてきました。

先程インフレトークンの代表的なものとして紹介したDOGEがはトークノミクスの観点から見ると明らかにクソトークンですが、時価総額10位に位置しています。国内取引所にも上場しています。

それは何を意味するのか、クリプトはコミュニティ主導で動いている。ミームそのものなのではないかと。

ミームによってブーストできる力もあるとして、一定数自分たちの追い風にしないといけないのかもしれない。

いくら頑張って開発しても、ミーム>トークノミクスの構造に自ずとなってしまっているものも多く存在する。

  • プロジェクトに対する強い愛

  • Discordでの活発さ

  • コミュニティに興奮はあるか

この3つがコミュニティを調査した上でいかにミーム的な付加価値を手供できるかどうかの重要なポイントとになりそうです。

さいごに

ここまでつらつらと書き連ねましたがこんな事をすべて考えて、念入りにトークンの設計をできるだろうか。自分でも書いていてめっちゃ難しいなあという認識です笑

どれだけ完璧だと思う設計をしても、不可抗力や予期せぬことで価格の上下は少なからず起こるもの。

でも完璧に近いトークノミクスを実現するため、経済学に詳しい教授などがトークノミクスのアドバイザーとしてプロジェクトに参画しているのをみてびっくりしました。

価格の上下にユーザーと自分たちのモチベーションが振り回される環境で果たして「このサービスにトークンは必要なのか」問題は、個人的にめっちゃ話したいですがここで話すと長くなるのでまた別の機会に。

長々と話しましたが少しでも参考になると幸いです。また、今回の記事にご協力いただきましたCovduk氏には改めて感謝します。ぜひフォローしてください!ではまた次のmirrorで会いましょう。

弊社ではトークンの設計やトークノミクスに関するご相談を受け付けております。些細なことでも大丈夫なのでお気軽にお問い合わせください。

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Thank you so much Covduk! 😄

協力: Covduk氏 / Tokenomicsのスレッド