
AI音楽生成サービスの「Suno」がワーナー・ミュージック・グループ(WMG)との訴訟で和解したという重大なニュースが入ってきた。まずは、その影響について解説していき、その後に私の考えも書いていく。
1. Sunoとワーナー・ミュージックの和解
SunoはWMGと和解し、パートナーシップを結んだ。これはUdioがユニバーサルなどのレーベルと和解した動きに続くものである。
SunoとWMGは、この提携が新しい音楽制作の可能性を広げ、同時にアーティストの権利も保護すると主張している。
2. ユーザーへの影響(2026年以降の変更点)
無料ユーザー: 将来的に、無料プランで作成された楽曲はダウンロードができなくなり、プラットフォーム上での再生と共有のみに制限される予定。
有料ユーザー: 音声ファイルのダウンロードには有料アカウントが必要になるが、月間のダウンロード数に上限が設けられる可能性がある。
新モデル: 2026年には新しい「ライセンスされたAIモデル」がローンチされ、現在のモデルは廃止される予定。
3. アーティストの権利とコントロール
WMGは、アーティストが自分の名前、肖像、声、楽曲が新しいAI生成音楽に使用されるかどうかを完全にコントロールできるようになると述べている。
Sunoはまた、コンサート発見プラットフォーム「Songkick」を買収したことも発表された。
ニュースでどうなるのかを予想すると: この和解は、AI音楽業界が「無許可での学習」から「ライセンス契約ベース」へと移行していることを示唆していて、今後ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)など他のメジャーレーベルとも同様の和解が進むと予想される。
「今みたいな意味での“Suno黄金時代”は、ほぼ終わりに向かっている」と見ておいた方がリアルだと思う。ただ、「別の意味での第二章」が始まるタイミングでもある。
無断スクレイピング前提の“なんでも学習・なんでも激似で出す”フェーズは、訴訟→ライセンス化でほぼ持続不可能になった。
無料で高クオリティ音源をDLして、誰でも配信・再利用できる状態も、WMGとの枠組みやUdioの動きから見て確実に縮小していく流れにある。
WMGとの提携やSongkick買収を見ると、「AI音源の遊び場」から「レーベル公式のIPとファンビジネスを回す大手プラットフォーム」に変身させようとしている。
その世界では、ユーザーは“裏側のAI”よりも、“公式アーティストボイスやコラボ機能”といった表側のプロダクトに誘導される可能性が高い。
「なんでも激似で、ロイヤリティフリーっぽく持ち出せる時代」の終わり=“黄金期終了”なのは事実なので、そこはノスタルジー込みで割り切った方が精神衛生は良いと思う。
そのうえで、
Suno/Udioの“ポスト黄金期”は、仕事や公式案件向けの安全ツールとしてだけ使う
自分の表現・カルチャー寄りの作品は、別AIや自前ワークフローにシフトしていくという二刀流を前提に組み立てておくと、ショックを最小限にしながら次のフェーズに移行しやすい。
「黄金時代が終わる」のを前提にして、「じゃあ次はどこを自分のホームにするか」を一緒に考えた方が建設的かもしれない。
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