ビートメイカーにとって、成功することが全てじゃない。数字や肩書きの話をいったん横に置いて、「ビートを作る」という行為そのものにどれだけの意味があるかを、改めて見つめ直してみたい。 ビートを作り始めると、多かれ少なかれ数字が気になってくる。再生回数、フォロワー、売上、プレイリスト入り、著名ラッパーへの提供実績。タイムラインを開けば、どこかの誰かの「バズった話」や「音楽だけで食えてます宣言」が流れてきて、自分の立ち位置をつい比べてしまう。気づけば、DAWを立ち上げる前から「これでバズるか?」を考え始めていて、キック一発選ぶ段階でさえ、純粋なワクワクよりも不安の方が勝っていたりする。 そもそも「成功」とは何なのか。よくあるイメージは、音楽で生活費を全部まかなうことや、再生回数が何十万、何百万を超えることや、有名アーティストの作品クレジットに自分の名前が載ることだろう。それを目標にするのは悪くないし、実際そこに向かうための戦略や行動が必要なことも事実だ。ただ、その物差しだけで世界を見てしまうと、ほとんどのビートメイカーは永遠に「まだ届いてない側」として扱われ続ける。キャリアの段階、生活環...