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Web3ソーシャル・コレクティングプラットフォーム「Rodeo」が、2026年3月10日をもってサービスを終了する。それほど長く続いたプロダクトではなかったかもしれないけれど、その終わり方は、クリエイターにとって考える価値のある示唆をいくつも残している。
Rodeoは、オンチェーン上にポスト(投稿)をミントし、それを「collect(収集)」する体験を中心に据えたソーシャルプラットフォームだった。単なるNFTマーケットというより、「コレクトすること自体をソーシャルで人間的な行為にしたい」という思想を前面に出していたのが特徴だ。
タイムライン上には、テキスト、画像、音楽、ショートコンテンツが流れ、気に入ったポストを少額でコレクトすることで、クリエイターを応援できる。それは「投機のために高額なNFTを買う」というより、「いい作品にコーヒー一杯分投げ銭する」ような感覚に近かった。
Web3文脈ではありがちな「ディーファイ的ギラつき」は比較的薄く、コミュニティやカルチャーを前に出した設計だったと思う。
公式のアナウンスでは、Rodeo は熱心なコアコミュニティには深く刺さっていた一方で、事業として持続可能なレベルのスケールには届かなかったと説明されている。ユーザー数、取引量、マネタイズ、どの軸で見ても「いいプロダクトだけど、会社として運営を続けるには足りない」というラインを超えられなかったのだろう。
NFT/デジタルコレクティブル市場全体のボリュームはピークから大きく落ちている。いくつもの NFT プラットフォームが買収・統合・クローズを繰り返す中で、Rodeoもその波から逃れられなかった、という現実がある。
ただし、ここで興味深いのは「終わり方」だ。
Rodeoは、いきなりサイトを閉じるわけではない。1月27日から段階的なシャットダウンプロセスを公開し、「Rodeo Send-Off」と呼ばれるお別れ体験を用意している。
このSend-Offでは、ユーザーは次のようなことができる:
自分が作成したポストのメディアとメタデータを、IPFSからArweaveに移行する
Rodeoのスマートアカウント(埋め込みウォレット)にあるUSDC/Base ETHやコレクトしたポストを、自分の外部ウォレットに移す
自分がデプロイしたコントラクトのコントロールを、外部ウォレット側にしっかり紐づけ直す
つまり「プラットフォームが終わる前に、あなたの作品と資産を自分のコントロール下に戻してください」という明確なメッセージが、プロダクトとして組み込まれている。
Creditsの扱いについても透明だ。法定通貨で購入したCreditsは返金・移行不可で、期限までに使い切るか諦めるしかない。一方、投稿がコレクトされることで得た報酬は USDCとして扱われ、他の資産と同様に外部ウォレットへ出金できるようになっている。
もちろん、ユーザーにとっては痛みもある。UIやコミュニティとしてのRodeoという「場」は消えてしまうし、そこにしかなかった繋がりや空気感はコピーできない。それでも、オンチェーン上に残った作品やトランザクション履歴は、Rodeoが消えた後も他のツールやビューアから参照し続けることができる。
今回のシャットダウンで、Rodeoチームが繰り返し強調しているのは、「Rodeoというプロダクトは終わるが、その上で作られた作品と文化は残る」というメッセージだ。
オンチェーンにミントされた作品は、原理的にはどのプラットフォームからでも読み出せる。メディアデータをArweaveのような永続ストレージに置いておけば、「特定の会社のサーバーが止まったら全部消える」という状態からは一歩抜け出せる。
ただ、ここには微妙なグラデーションがある。
技術的には残っている
でも、誰かがそれを見つけて、文脈を与え、体験として提示し直さない限り、「文化」としては半分死んでいる
Rodeoが用意したSend-Offは、少なくとも「技術的に残す」部分に対して、きちんと責任を果たそうとした例だと言える。
一方で、この先それをどう再解釈し、新しいインターフェースやコミュニティとして蘇らせるかは、別のプレイヤーやクリエイターに委ねられている。
今回のケースから、クリエイター視点で引き出せる教訓はいくつかある。
プラットフォームに作品を置くときは、「出口」を意識しておいた方がいい
可能なら、作品のオリジナルは自分の管理下(自前ストレージやオンチェーン+永続ストレージ)にも確保しておく
Web3だからといって自動的に「安心」になるわけではなく、どの設計を採用しているかでリスクプロファイルは大きく変わる
サービスが終わるときに、ユーザーと作品にどこまで責任を持つかは、そのチームの姿勢がもっともよく現れる瞬間だ
Rodeoは事業としては失敗かもしれない。でも、「オンチェーンで表現するとはどういうことか」「プラットフォームの死と作品の生をどう切り離せるか」という問いを、かなり誠実な形で実験してくれたプロジェクトでもある。
Rodeoが閉じること自体は、一つの時代の終わりなのかもしれない。けれど、そこで生まれた作品やトランザクションの履歴は、チェーンのブロックの中に残り続ける。
その痕跡をどう受け取るか、どう再編集するか。次の一手を打つのは、プラットフォーム運営会社ではなく、クリエイターやコミュニティ側なのだと思う。
Web3ソーシャル・コレクティングプラットフォーム「Rodeo」が、2026年3月10日をもってサービスを終了する。それほど長く続いたプロダクトではなかったかもしれないけれど、その終わり方は、クリエイターにとって考える価値のある示唆をいくつも残している。
Rodeoは、オンチェーン上にポスト(投稿)をミントし、それを「collect(収集)」する体験を中心に据えたソーシャルプラットフォームだった。単なるNFTマーケットというより、「コレクトすること自体をソーシャルで人間的な行為にしたい」という思想を前面に出していたのが特徴だ。
タイムライン上には、テキスト、画像、音楽、ショートコンテンツが流れ、気に入ったポストを少額でコレクトすることで、クリエイターを応援できる。それは「投機のために高額なNFTを買う」というより、「いい作品にコーヒー一杯分投げ銭する」ような感覚に近かった。
Web3文脈ではありがちな「ディーファイ的ギラつき」は比較的薄く、コミュニティやカルチャーを前に出した設計だったと思う。
公式のアナウンスでは、Rodeo は熱心なコアコミュニティには深く刺さっていた一方で、事業として持続可能なレベルのスケールには届かなかったと説明されている。ユーザー数、取引量、マネタイズ、どの軸で見ても「いいプロダクトだけど、会社として運営を続けるには足りない」というラインを超えられなかったのだろう。
NFT/デジタルコレクティブル市場全体のボリュームはピークから大きく落ちている。いくつもの NFT プラットフォームが買収・統合・クローズを繰り返す中で、Rodeoもその波から逃れられなかった、という現実がある。
ただし、ここで興味深いのは「終わり方」だ。
Rodeoは、いきなりサイトを閉じるわけではない。1月27日から段階的なシャットダウンプロセスを公開し、「Rodeo Send-Off」と呼ばれるお別れ体験を用意している。
このSend-Offでは、ユーザーは次のようなことができる:
自分が作成したポストのメディアとメタデータを、IPFSからArweaveに移行する
Rodeoのスマートアカウント(埋め込みウォレット)にあるUSDC/Base ETHやコレクトしたポストを、自分の外部ウォレットに移す
自分がデプロイしたコントラクトのコントロールを、外部ウォレット側にしっかり紐づけ直す
つまり「プラットフォームが終わる前に、あなたの作品と資産を自分のコントロール下に戻してください」という明確なメッセージが、プロダクトとして組み込まれている。
Creditsの扱いについても透明だ。法定通貨で購入したCreditsは返金・移行不可で、期限までに使い切るか諦めるしかない。一方、投稿がコレクトされることで得た報酬は USDCとして扱われ、他の資産と同様に外部ウォレットへ出金できるようになっている。
もちろん、ユーザーにとっては痛みもある。UIやコミュニティとしてのRodeoという「場」は消えてしまうし、そこにしかなかった繋がりや空気感はコピーできない。それでも、オンチェーン上に残った作品やトランザクション履歴は、Rodeoが消えた後も他のツールやビューアから参照し続けることができる。
今回のシャットダウンで、Rodeoチームが繰り返し強調しているのは、「Rodeoというプロダクトは終わるが、その上で作られた作品と文化は残る」というメッセージだ。
オンチェーンにミントされた作品は、原理的にはどのプラットフォームからでも読み出せる。メディアデータをArweaveのような永続ストレージに置いておけば、「特定の会社のサーバーが止まったら全部消える」という状態からは一歩抜け出せる。
ただ、ここには微妙なグラデーションがある。
技術的には残っている
でも、誰かがそれを見つけて、文脈を与え、体験として提示し直さない限り、「文化」としては半分死んでいる
Rodeoが用意したSend-Offは、少なくとも「技術的に残す」部分に対して、きちんと責任を果たそうとした例だと言える。
一方で、この先それをどう再解釈し、新しいインターフェースやコミュニティとして蘇らせるかは、別のプレイヤーやクリエイターに委ねられている。
今回のケースから、クリエイター視点で引き出せる教訓はいくつかある。
プラットフォームに作品を置くときは、「出口」を意識しておいた方がいい
可能なら、作品のオリジナルは自分の管理下(自前ストレージやオンチェーン+永続ストレージ)にも確保しておく
Web3だからといって自動的に「安心」になるわけではなく、どの設計を採用しているかでリスクプロファイルは大きく変わる
サービスが終わるときに、ユーザーと作品にどこまで責任を持つかは、そのチームの姿勢がもっともよく現れる瞬間だ
Rodeoは事業としては失敗かもしれない。でも、「オンチェーンで表現するとはどういうことか」「プラットフォームの死と作品の生をどう切り離せるか」という問いを、かなり誠実な形で実験してくれたプロジェクトでもある。
Rodeoが閉じること自体は、一つの時代の終わりなのかもしれない。けれど、そこで生まれた作品やトランザクションの履歴は、チェーンのブロックの中に残り続ける。
その痕跡をどう受け取るか、どう再編集するか。次の一手を打つのは、プラットフォーム運営会社ではなく、クリエイターやコミュニティ側なのだと思う。
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