
AIによる音楽生成は驚くほど進化している。クリックひとつで曲が生まれ、誰でも「作曲者」になれる時代だ。しかし現行の法律では、AIが作った音楽には著作権が存在しない。そこには人間の創作的判断がないとされ、著作者としての権利も認められない。
著作権がないということは、誰のものでもないということだ。AIが生み出した音楽は、他者にコピーされても、商用利用されても、それを止める権利がない。そして音楽市場がそうした未登録のAIサウンドで埋め尽くされれば、人間が時間と精神をかけて作った作品の価値も相対的に薄れていく。でしょ?
だからこそ今は、AIに依存せず、自分自身の手で音楽を作っていって、人間がわざわざやる意味を再確認するタイミングだと思う。自分の感情、思考、過去や経験を通して生まれた音には、法律的にも文化的にも「自分のもの」と言える確かさがある。著作権を持つということは、単なる法的保護ではなく、自分の存在を刻むという行為に近い。
AIは便利な道具であり、可能性もたくさんある。だが、音楽の核にある「表現の意志」まで委ねてしまえば、それはもう創作ではなく生成になる。法律の整備を待つよりも、自分の音を磨き、自分の表現を育てていくこと。それが今を生きる音楽家にとって、いちばんリアルで、いちばん誠実な姿勢だと思う。
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