Looping 初めての方はぜひEthenaが超流行った時に書いたLooping 基礎記事「Pendle looping 101」をどうぞ
PTは大元資産の割引クーポン債のようなもので、YTの買い圧によって価格が一時的に下落する一方、満期に近づくにつれて価格は徐々に1(大元資産)へと収束していくという特徴がある。
このPTは、2025年にEthenaが提供するUSDe / sUSDeのLoopingが流行した際に爆発的に利用された。ピーク時にはEthena系資産だけでもPendle全体のTVLの約80%(約80億ドル)を占め、同時にPT Loopingの主要な受け皿となっていたAaveのTVLも急増していた。

しかしその後、市場はベア局面に入り、イールドがFRと強く関連するUSDe系資産のネイティブ収益およびインセンティブ源であるENA自身の値段もが下落。
これに伴いPTのイールドも5〜6%程度まで低下し、Loopingは段階的に解消されていった。結果として、Pendle・Aave・EthenaのTVLも揃って縮小する流れとなった。メインの理由はやはりPTイールドが極めてLendingイールドに近づき、それが原因でLoopをしてもさほどの収益が上がらなくなったこと。


PTは担保利用にすることが最適な理由は:ほぼUnderlying 資産と同質な資産であり、大元資産&Pendle自体が大丈夫であれば安全性が高く、セキュリティに厳しいAAVE &オラクル提供社Chainlink からも強い信頼・認可を受けています。
そのPT を更に担保利用して、レバを高めることが可能。基本PTの固定金利が借金金利より高ければこれを担保にして更に多くの金を借りることがリスク高くなりつつも、経済的に合理な選択である。
つまり肝が借金金利にあり、PTの発行チェーンよりも更に借金金利が安いチェーンにPTをブリッジすれば、そこで担保利用して、より高いLooping 利回りを出すことが可能。
この記事執筆時点ではCapのcUSDのPTが流行っていますが、こちらのマーケットはETHメインネット&Unichain の2つのチェーンを対応しており、ご覧の通り、ETHのほうが6.6%なのに対して、Unichain のほうはわずか1.5%で借りることができ、4倍以上のコストの差になります。(いずれも変動金利)

借りるコストが全然違うので、Loopingによって拡大される金利差も大きくなり、Unichain で工程が少し多いLooping だと最大まで行くと60〜70%、メインネットだと最大で20%程度のLooping APYの差があります。

まずはMorpho のマーケットに行き、流動性をチェックします。例えばこちらのマーケットはGauntletから1.5Mの流動性が割り当てられており、すでに1.23Mぐらい借りられ、残り27万ドルぐらいの残りがあります。(12月15日時点、徐々に足されていく可能性あり)

PTのブリッジサイトにて、お好みのPTを購入あるいは既存のPTをすでにお持ちの場合ならそのまま次のステップに進められます(もちろん購入したImplied Yieldが高ければ高いほど良いです)

お好みのPTのサイトに入り、②のBridge PTをタップ、ブリッジをします。
基本LayerzeroのBurn & Mint技術を利用しており、5分足らずぐらいでブリッジをすることが可能。

そのPTを対応したマーケットにおいて、PTを担保として預け入れ、ご自身のリスク耐性にあったLTVでUSDCなどのステーブルを借り出す。
担保にしたいPTの額&借りたいUSDCの額を入力すると、大抵のLending MarketはあなたのLTVを算出してくれます。

一回だけLoopをして、同じチェーンにおいて借金金利よりも更に高い金利チャンスを探すのもできますが、基本PendleのPT Loopingをしたいなら、
借りた資金をメインネットに戻して、同じPTを買うことで更にレバを高めることが可能。
メインネットに資金を戻すには、上記のStargateのサイトあるいはお好みのブリッジサイトを利用しましょう。

Step 1に戻って全く同じ工程を繰り返すのみ、つまりメインネットに戻された借りた資金、USDCなどを利用して、更に多くのPT を購入し→PTを低金利チェーンにブリッジ→担保として更に多くのUSDCを借りて→繰り返す。
なぜ繰り返す必要があるの?
→過剰担保が原則だから、借りたもので担保を増やさなければ更に多く借りることはできません。

清算リスク
PTの大元資産・大元ストラテジーが損失を出た場合、清算リスクに晒されます。
金利リスク
基本大体のLending マーケットは利用率によって借金金利が決定されます、多くの人が借りるならば、イールドが高くなり、返済を催促します。もし自分のPTのイールドよりも借金金利が高くなればLooping をすればするほど損が拡大されます。そのため、過去の借金金利の大まかな状況を把握しておく必要があります。
満期になったらPTは額面バリューに完全に戻った状態になり、それ以上のイールドは無くなりますが、借金金利も一緒に消えるわけではない。返済するまでは借金金利を払い続けることになります(年に数%なので、数時間放置は気にならない程度)

オペレーションリスク
LoopingポジションをUnwind (解く)際の工程は上記のステップの逆で、ステーブルをPTから引き出し→ブリッジ→返済→繰り返し。もし利用したPTの流動性が低い、あるいはUnstakingが必要などの場合ではLooping unwindに結構オペレーションコストがかかる可能性あり
そのため、必ず資産の引き出し条件を確認しましょう!
ブリッジ・チェーンリスク
特定のチェーンにおいてPTをLooping するわけなので、そのチェーンと一番流動性のあるメインネットを接続するブリッジが作動しなくなる、チェーン自体がダウンするなどのリスクがあります。基本よく聞くチェーンならこのようなリスクは低めと思いますが、ゼロではありません。
結論としては:ご自身の詳しいPJのPTの償還メカニズム、流動性、イールドの出し方、PTがなぜそのImplied APYで評価されるのか、ブリッジのコストなどなどを理解した上でPTのLoopingに参入してください。理解せずに参入すると、清算される要因になります。
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オラクルリスク
オラクルはLending マーケットにいつこのポジションを清算すればいいのかを教えるものであり、現在の値段の判定のやり方が異なります。仮に一気に大きな売り圧があって、10%ぐらいAMMでのマーケット値段が下落して、5分後に回復した場合を例に考えると
Redstoneのような市場値段の平均に基づくオラクルではもう清算されている可能性が高い、なぜなら市場値段が落ちてるから
Chainlinkのような交換レートに基づくオラクルは、PTの大元資産とPTのレートでPTの値段の提供をしますので、仮に一時的な大きな売り圧があっても、大元資産が大丈夫なのであれば、一時的なマーケット値の値動きがあっても清算されにくいような仕組みになっています。(一時的な価格ノイズには比較的強いが、乖離が継続すれば清算される恐れもあります)

Kazuma
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