貿易への楽観的な見方にもかかわらず、金と銀は週間で上昇

先週、米国と複数の貿易相手国間の貿易摩擦が緩和したとみられる中、金は下落する一方で米国株は上昇しました。今週の経済カレンダーは比較的軽めでしたが、投資家は火曜日から始まる2日間のFRB（連邦準備制度理事会）の政策会合と、進行中の貿易情勢に注目し続けました。

月曜日、トレーダーはトランプ大統領が外国製映画への100%関税の可能性を示唆した発言に反応しました。これを受けて株価は下落し（S&P 500指数は-0.6%、ダウ平均株価は-0.3%、ナスダック総合指数は-0.8%）、20年ぶりの長めの上昇がストップしました。関税をめぐる不透明感が株式市場を揺るがし、ドル指数も下落する中、金は約3%上昇して3,376ドルで取引を終え、前週の下落分を帳消しにしました。

火曜日、FRB（連邦準備制度理事会）の政策会合が始まったため、株価は再び下落しました。市場は金利据え置きをほぼ確信していたものの、関税の経済影響に関するFRBの見通しについては依然として不透明感を抱いていました。一方、金は貿易摩擦への懸念とドル安の継続に支えられ、2週間ぶりの高値となる3,391ドル付近まで上昇しました。一方、銀はほぼ横ばいで、33.07ドルで取引を終えました。

予想通り、パウエルFRB議長は水曜日に政策金利を4.25～4.50%に据え置くと発表しました。パウエル議長が記者会見で、広範な関税の経済影響と中国との貿易摩擦について「様子見」の姿勢を示したことを受け、市場は安堵しました。

パウエル議長はまた、関税をめぐる不確実性を評価するにはさらなる時間が必要だと述べ、利下げの可能性にも慎重な姿勢を示しました。この姿勢はドル相場を支え、金と銀の双方に圧力をかけました。ドル指数は0.6%上昇したものの、インドとパキスタン間の地政学的緊張が下落を抑制し、金と銀はそれぞれ3,374ドル、32.83ドルと小幅安で取引を終えました。

木曜日、トランプ大統領が米英貿易協定の枠組みを発表したことを受け、金は前日の取引から下落幅を拡大しました。米中がスイスで予備協議を開始する準備を進めているとの報道を受け、市場心理はさらに改善しました。

金は貿易摩擦の緩和を背景に下落し、1%安の3,313ドルで取引を終えました。銀は1週間ぶりの安値となる32.28ドルに迫りました。金属価格が下落する一方で、貿易摩擦への楽観的な見方がウォール街を押し上げ、ナスダック総合指数は1%を超える上昇を記録し、主要株価指数の中で上昇を牽引しました。

センチメントの改善にもかかわらず、投資家が週末に予定されている米中貿易協議への期待から、株式市場は今朝、小幅安で取引されました。それでも、米国市場は今週も好調な週を迎えそうだ。本稿執筆時点で、ナスダックは週間で0.58%の上昇を記録しており、S&P 500とダウはそれぞれ0.09%と0.19%の上昇を見込んでいる。

今朝、金はドル指数の0.3%の下落と、米中貿易協議をめぐる不透明感が続いたことで支援された。金は1%以上上昇し、週間で2.3%上昇の3,338ドルで取引されている。銀も週間で0.5%上昇し、1オンスあたり32.79ドルで取引されている。