雇用統計が利下げの道筋を明確にし、金が週ごとに上昇

先週、中東の緊張緩和が金の安全資産としての魅力を損ねたため、金と銀は下落した。今週、市場は米国の経済データに牽引され、これがFRBの利下げの道筋に影響を与える可能性が高い。

テクノロジー部門の大幅な上昇により、月曜日のウォール街の主要株価指数が上昇し、ナスダック総合指数とS&P 500指数は過去最高の終値となった。同日、ドル指数が0.7%上昇したため、金は4セッション連続の上昇を止めた。投資家が1週間の経済データ発表に備えたため、金と銀は月曜日の取引をそれぞれ2,631ドルと30.25ドルでわずかに下落して終了した。

火曜日、労働省は、米国の求人数が10月に増加し、新しい機会を求めて仕事を辞める労働者の数が5か月ぶりの高水準に達したと報告した。雇用統計発表後、金は当初の上昇分をいくらか減らした。経済指標が好調だったため、連邦準備制度理事会（FRB）が利下げに慎重な姿勢を取る可能性が高まったためだ。

金は水曜日、給与計算会社ADPの発表を受けて小幅上昇した。同発表では、11月の雇用創出数は16万6000人という予想に対し、14万6000人となり、米国の民間部門の雇用成長が鈍化していることが明らかになった。この失望的な雇用統計により、2024年の最終的な利下げの可能性が高まり、金と銀は小幅上昇し、水曜日の取引はそれぞれ2648ドルと30.28ドルで終了した。

ウォール街の投資家は、ADP報告書の民間収入データに注目した。同データでは、2年以上同じ職に就いた労働者の給与が前年比4.8％上昇したことが示された。これは、いわゆる職にとどまる労働者にとって、2年以上ぶりの賃金上昇となった。このデータと利下げの可能性の高まりにより、米国株は幅広く上昇し、主要3指数はいずれも過去最高の終値を付けた。

木曜日、金と銀は、投資家が金曜日の主要雇用統計に備え、FRBの次の行動についてさらなる明確化をもたらすことから、急激な売り圧力にさらされた。木曜日の終値までに、金は0.75%下落し、2,629ドルで取引を終えた。その他の市場では、金曜日の雇用統計が迫る中、株式市場の上昇は一服し、ビットコインは初めて10万ドルを超えた。

金と銀は、労働省の主要統計で非農業部門雇用者数が20万人増と予想されていたのに対し、22万7,000人増加したことを受けて、本日小幅上昇した。このデータは確実に予想の範囲内であり、FRBが12月17日の中央銀行会合で0.25％の利下げを実施する可能性が高いことを示唆した。

本稿執筆時点では、金は週で若干上昇し、1オンスあたり2,635ドルとなっている一方、銀は週で2.6%下落し、1オンスあたり31ドルとなっている。2024年の最終雇用統計を受けて、株価はまちまちだった。主要3指数のうち、ナスダックは週で3.07%上昇と最も大きく、S&P 500は0.75%上昇で週を終えた。他の指数に遅れをとり、ダウ工業株30種平均は週で0.65%下落した。