貿易摩擦とFRBのタカ派姿勢を受け、株価は急騰、金は下落

先週、貿易摩擦と米国財政の健全性への懸念から安全資産として資金が流入し、金は4%急騰しました。今週は月曜日がメモリアルデー（戦没将兵追悼記念日）の祝日で主要市場が休場だったため、取引時間は短縮されました。市場の動きは主に貿易動向と金融政策をめぐる憶測に左右されました。

トランプ大統領がEUからの輸入品に対する50%の関税の延期を発表したことを受け、今週は明るい兆しで始まりました。これを受けて株価は反発し、4営業日続落を止めました（ナスダック総合指数は2.6%増、S&P 500指数は2.1%増、ダウ平均株価は1.8%増）。

予想を上回った消費者信頼感指数の発表を受け、投資家心理はさらに改善し、5ヶ月連続の下落に終止符が打たれました。しかし、リスク選好の高まりが金価格の重しとなり、金は火曜日に1.2%下落し、1オンスあたり3,301ドルで取引を終えました。

水曜日は、5月のFOMC議事録の発表に注目が集まりました。議事録では、今後の政策決定を巡る不確実性が示され、今後数ヶ月で失業率とインフレ率の上昇につながる「困難なトレードオフ」が指摘されました。議事録では利下げには触れられなかったため、CMEのFedWatchツールによると、2025年12月までに0.25ポイントの利下げが1回実施されるという市場の織り込み済みオッズは32%に低下しました。

FRBのタカ派的な姿勢とリスク選好の高まりを受け、ドル指数は1週間ぶりの高値100.397まで上昇し、金価格は0.9%下落し、1オンスあたり3,270ドルとなりました。投資家が木曜日のNVIDIA決算発表を待ち望んだため、水曜日の株価は下落しました。

木曜日、半導体メーカーのNVIDIAは、期待されていた決算を発表し、予想を上回りました。株価は3%上昇し、S&P 500指数も上昇しました。しかし、貿易摩擦をめぐる不透明感により、さらなる上昇は抑制されました。市場が開く前に、米国国際貿易裁判所がトランプ大統領には「相互」関税を課す権限がないとの判決を下したとのニュースが報じられました。トランプ政権は速やかに控訴し、木曜日の午後までに控訴裁判所は関税を復活させました。

貿易摩擦への懸念と予想を下回る雇用統計を受け、金は木曜日に0.8%上昇し、3,300ドルをわずかに下回る水準で取引を終えました。金曜日の午前中はドル高が進んだため金が小幅下落しましたが、インフレ指標の弱さが金利引き下げへの期待を再び高めたことで、下落幅は限定的でした。金は週初に1.1%下落の3,294ドルで取引を終え、銀は週初に1.6%下落し、32.98ドルで取引を終えました。

中国が暫定貿易合意に違反したとの報道が浮上し、緊張再燃への懸念が高まったことを受け、金曜日の株価は下落した。しかしながら、主要株価指数は堅調な推移で週を終えた。ナスダック総合指数は週間で2.45%上昇、月間では9.36%の大幅な上昇を記録し、株価を牽引した。S&P500とダウ平均株価はそれぞれ週間で2.17%、1.84%の上昇となった。