<100 subscribers

プレバンキングとは何か?
プレバンキングは、偽情報に触れる前に認識力を高めて「免疫」をつける手法です。本記事では、その仕組みや効果を簡潔に解説します。はじめに近年、インターネット上で流布する偽情報により、社会的混乱や不信が生じています。こうした状況に対抗する方法の一つとして注目されているのが「プレバンキング(prebunking)」です。これは、人々が偽情報に触れる前に、事前にその手口や特徴を学ぶことで、誤った情報を鵜呑みにしにくくする戦略とされています。プレバンキングの基本的な考え方プレバンキングは心理学の「予防接種理論(inoculation theory)」に基づきます。あらかじめ小規模な「誤情報の種」を提示し、その不自然さや詭弁を指摘することで、人々は後に本格的な偽情報に直面した際、批判的思考を働かせやすくなります。これにより、デマや陰謀論に流されにくくなり、情報を吟味する習慣が強化されます。研究事例と成果研究者らはプレバンキングの有効性を実験的に示しています。たとえば、Jigsaw(Google傘下の組織)はYouTube上でプレバンク動画を配信し、視聴者が後の偽情報に抵抗する力が高まることを報...

ChatGPT4+Paperpileは新たな時代の幕開けに
実用的なAI医療情報検索ツールについては記事にまとめたばかりですが、さらに続々と新たなツールが実装され、進化が止まりません。大規模言語モデルは医療情報検索に使えるか大規模言語モデルによる生成AIは徐々に日常業務に浸透しつつあると感じます。 これが情報検索にも使えれば鬼に金棒、一石二鳥なのですが、残念ながらまだそこまでの能力は身につけていないようです。LLaMaChat+Perplexity学術論文などの情報検索ツールではない、大規模言語モデルによる生成AIの実力についても調べています。 引用文献を明示するPerplexityが実装には一番近い存在かと感じていました。ここでは、さらに改良されたPerplexity Labsの LLaMa Chat を試して検証してみました。 プロンプトはこちらYou are a librarian. I am a researcher searching for up-to-date medical articles from around the world. Please provide me with the relevant informa...

虚弱高齢者の抗凝固薬は変えないほうがいい
2024年1月、心房細動のある高齢者に対する塞栓症予防として、ワルファリンなどのビタミンK拮抗剤(VKA)から非ビタミンK拮抗剤経口抗凝固薬(NOAC)に切り替えると、出血の合併症が69%多くなるというランダム化比較試験が発表されました。75歳以上の虚弱高齢者が対象参加者: 75歳以上でGroningen Frailty Indicatorスコアが3以上の虚弱な高齢心房細動患者 介入: ビタミンK拮抗剤から非ビタミンK拮抗剤経口抗凝固薬への切り替え 比較: ビタミンK拮抗剤の継続使用 アウトカム: 大出血または臨床的に関連する非主要出血の発生(主要アウトカム) 研究デザイン: プラグマティック多施設オープンラベルランダム化比較優越試験出血はNOACで69%多い結果:1330人がランダム割り付け対象主要アウトカムの発生率は、切り替え群で15.3%(101件)、継続群で9.4%(62件)ハザード比は1.69(95%信頼区間 1.23-2.32)血栓塞栓症はNOACで26%多い傾向主な結果は以下のとおり。血栓塞栓症の発症はNOACへ切り替えても少なくなりませんでした。 全死亡率に関して...



プレバンキングとは何か?
プレバンキングは、偽情報に触れる前に認識力を高めて「免疫」をつける手法です。本記事では、その仕組みや効果を簡潔に解説します。はじめに近年、インターネット上で流布する偽情報により、社会的混乱や不信が生じています。こうした状況に対抗する方法の一つとして注目されているのが「プレバンキング(prebunking)」です。これは、人々が偽情報に触れる前に、事前にその手口や特徴を学ぶことで、誤った情報を鵜呑みにしにくくする戦略とされています。プレバンキングの基本的な考え方プレバンキングは心理学の「予防接種理論(inoculation theory)」に基づきます。あらかじめ小規模な「誤情報の種」を提示し、その不自然さや詭弁を指摘することで、人々は後に本格的な偽情報に直面した際、批判的思考を働かせやすくなります。これにより、デマや陰謀論に流されにくくなり、情報を吟味する習慣が強化されます。研究事例と成果研究者らはプレバンキングの有効性を実験的に示しています。たとえば、Jigsaw(Google傘下の組織)はYouTube上でプレバンク動画を配信し、視聴者が後の偽情報に抵抗する力が高まることを報...

ChatGPT4+Paperpileは新たな時代の幕開けに
実用的なAI医療情報検索ツールについては記事にまとめたばかりですが、さらに続々と新たなツールが実装され、進化が止まりません。大規模言語モデルは医療情報検索に使えるか大規模言語モデルによる生成AIは徐々に日常業務に浸透しつつあると感じます。 これが情報検索にも使えれば鬼に金棒、一石二鳥なのですが、残念ながらまだそこまでの能力は身につけていないようです。LLaMaChat+Perplexity学術論文などの情報検索ツールではない、大規模言語モデルによる生成AIの実力についても調べています。 引用文献を明示するPerplexityが実装には一番近い存在かと感じていました。ここでは、さらに改良されたPerplexity Labsの LLaMa Chat を試して検証してみました。 プロンプトはこちらYou are a librarian. I am a researcher searching for up-to-date medical articles from around the world. Please provide me with the relevant informa...

虚弱高齢者の抗凝固薬は変えないほうがいい
2024年1月、心房細動のある高齢者に対する塞栓症予防として、ワルファリンなどのビタミンK拮抗剤(VKA)から非ビタミンK拮抗剤経口抗凝固薬(NOAC)に切り替えると、出血の合併症が69%多くなるというランダム化比較試験が発表されました。75歳以上の虚弱高齢者が対象参加者: 75歳以上でGroningen Frailty Indicatorスコアが3以上の虚弱な高齢心房細動患者 介入: ビタミンK拮抗剤から非ビタミンK拮抗剤経口抗凝固薬への切り替え 比較: ビタミンK拮抗剤の継続使用 アウトカム: 大出血または臨床的に関連する非主要出血の発生(主要アウトカム) 研究デザイン: プラグマティック多施設オープンラベルランダム化比較優越試験出血はNOACで69%多い結果:1330人がランダム割り付け対象主要アウトカムの発生率は、切り替え群で15.3%(101件)、継続群で9.4%(62件)ハザード比は1.69(95%信頼区間 1.23-2.32)血栓塞栓症はNOACで26%多い傾向主な結果は以下のとおり。血栓塞栓症の発症はNOACへ切り替えても少なくなりませんでした。 全死亡率に関して...
Share Dialog
Share Dialog
2025年に発表された日本のコホート研究のメタ分析によると、未治療の高血圧者では血圧が高いほど心血管疾患(CVD)死亡リスクが増加し、特に軽症高血圧群で最も高い人口寄与割合(PAF)が示されました。高血圧の予防と管理がCVD死亡リスクの低減に重要であることを支持する結果です。
日本の10のコホート研究から70,570名(平均年齢59.1歳、女性57.1%)
未治療者 57,656名(81.7%)、治療中の高血圧者 12,914名(18.3%)
なし(観察研究のため)
日本高血圧学会(JSH)2019ガイドラインの血圧分類を用い、未治療群の血圧を6段階に分類
正常血圧(<120/<80 mmHg)
高値正常血圧(120–129/<80 mmHg)
高値血圧(130–139/80–89 mmHg)
Grade I高血圧(140–159/90–99 mmHg)
Grade II高血圧(160–179/100–109 mmHg)
Grade III高血圧(≥180/≥110 mmHg)
総心血管疾患(CVD)死亡・脳卒中(虚血性脳卒中、脳内出血)・虚血性心疾患・心不全
EPOCH-JAPANのデータを用いたメタ解析(観察研究)・Cox比例ハザードモデルを用いた解析
CVD死亡率は血圧が高くなるほど上昇し、Grade III高血圧(BP ≥180/≥110 mmHg)では正常血圧の約4倍のリスク(HR=2.58)
Grade I高血圧(140–159/90–99 mmHg)の**PAFが41.1%**と最も高く、CVD死亡の大きな要因
10年間のCVD死亡累積リスクは、正常血圧群で1.1%、Grade III高血圧群で4.3%


Satoh M, Ohkubo T, Miura K, Harada A, Tsutsui A, Hozawa A, et al. Long-term risk of cardiovascular mortality according to age group and blood pressure categories of the latest guideline. Hypertension Research. 2025. https://doi.org/10.1038/s41440-025-02151-w
高血圧は心血管疾患(CVD)の主要な危険因子 であり、世界的な罹患率と死亡率に大きく寄与する。
日本のEPOCH-JAPAN研究では、血圧(BP)とCVD死亡リスクの関連 が示されてきたが、過去の分析では降圧治療を受けている参加者も含まれていた。
2019年の日本高血圧学会(JSH)ガイドラインの改訂 により、血圧の分類が変更され、米国の基準とより整合する形となった。
新しい血圧基準に基づくCVD死亡リスクの再評価 は、臨床実践の改善に役立つ可能性がある。
そこで、本研究は、未治療者に限定した血圧カテゴリーとCVD死亡リスクの関連 を明らかにすることを目的とした。
性別
年齢
総コレステロール値
喫煙歴(元喫煙者、現在喫煙者)
飲酒歴(元飲酒者、現在飲酒者)
BMI(<18.5および≥25 kg/m²)
糖尿病の有無
食塩摂取量(日本人は食塩摂取量が高く、高血圧のリスク要因となる)
身体活動量(運動不足が血圧上昇と関連)
社会経済的要因(収入や教育レベルによる健康格差の影響)
精神的ストレス(ストレスが血圧上昇を引き起こす可能性)
家庭血圧(オフィス血圧のみ測定され、家庭血圧が考慮されていない)
追跡期間中の治療状況が不明
研究開始時に未治療だった人も、追跡期間中に降圧薬を開始した可能性がある。
単回測定のオフィス血圧のみを使用
家庭血圧や24時間血圧の測定がなく、白衣高血圧や仮面高血圧の影響を考慮できていない。
アウトカムがCVD死亡に限定
心筋梗塞や脳卒中の発生率は解析されておらず、非致死的なCVDリスクを評価できない。
研究対象の年代がやや古い
ベースライン調査は1990年代が中心であり、近年の降圧治療の進歩を反映していない可能性がある。
食塩摂取や運動習慣などの生活習慣因子が調整されていない
日本人の塩分摂取量が高いため、食塩制限がどの程度影響するか不明。
高血圧治療の普及による影響
近年の治療改善により、未治療者の血圧分布が過去と異なる可能性がある。
2025年に発表された日本のコホート研究のメタ分析によると、未治療の高血圧者では血圧が高いほど心血管疾患(CVD)死亡リスクが増加し、特に軽症高血圧群で最も高い人口寄与割合(PAF)が示されました。高血圧の予防と管理がCVD死亡リスクの低減に重要であることを支持する結果です。
日本の10のコホート研究から70,570名(平均年齢59.1歳、女性57.1%)
未治療者 57,656名(81.7%)、治療中の高血圧者 12,914名(18.3%)
なし(観察研究のため)
日本高血圧学会(JSH)2019ガイドラインの血圧分類を用い、未治療群の血圧を6段階に分類
正常血圧(<120/<80 mmHg)
高値正常血圧(120–129/<80 mmHg)
高値血圧(130–139/80–89 mmHg)
Grade I高血圧(140–159/90–99 mmHg)
Grade II高血圧(160–179/100–109 mmHg)
Grade III高血圧(≥180/≥110 mmHg)
総心血管疾患(CVD)死亡・脳卒中(虚血性脳卒中、脳内出血)・虚血性心疾患・心不全
EPOCH-JAPANのデータを用いたメタ解析(観察研究)・Cox比例ハザードモデルを用いた解析
CVD死亡率は血圧が高くなるほど上昇し、Grade III高血圧(BP ≥180/≥110 mmHg)では正常血圧の約4倍のリスク(HR=2.58)
Grade I高血圧(140–159/90–99 mmHg)の**PAFが41.1%**と最も高く、CVD死亡の大きな要因
10年間のCVD死亡累積リスクは、正常血圧群で1.1%、Grade III高血圧群で4.3%


Satoh M, Ohkubo T, Miura K, Harada A, Tsutsui A, Hozawa A, et al. Long-term risk of cardiovascular mortality according to age group and blood pressure categories of the latest guideline. Hypertension Research. 2025. https://doi.org/10.1038/s41440-025-02151-w
高血圧は心血管疾患(CVD)の主要な危険因子 であり、世界的な罹患率と死亡率に大きく寄与する。
日本のEPOCH-JAPAN研究では、血圧(BP)とCVD死亡リスクの関連 が示されてきたが、過去の分析では降圧治療を受けている参加者も含まれていた。
2019年の日本高血圧学会(JSH)ガイドラインの改訂 により、血圧の分類が変更され、米国の基準とより整合する形となった。
新しい血圧基準に基づくCVD死亡リスクの再評価 は、臨床実践の改善に役立つ可能性がある。
そこで、本研究は、未治療者に限定した血圧カテゴリーとCVD死亡リスクの関連 を明らかにすることを目的とした。
性別
年齢
総コレステロール値
喫煙歴(元喫煙者、現在喫煙者)
飲酒歴(元飲酒者、現在飲酒者)
BMI(<18.5および≥25 kg/m²)
糖尿病の有無
食塩摂取量(日本人は食塩摂取量が高く、高血圧のリスク要因となる)
身体活動量(運動不足が血圧上昇と関連)
社会経済的要因(収入や教育レベルによる健康格差の影響)
精神的ストレス(ストレスが血圧上昇を引き起こす可能性)
家庭血圧(オフィス血圧のみ測定され、家庭血圧が考慮されていない)
追跡期間中の治療状況が不明
研究開始時に未治療だった人も、追跡期間中に降圧薬を開始した可能性がある。
単回測定のオフィス血圧のみを使用
家庭血圧や24時間血圧の測定がなく、白衣高血圧や仮面高血圧の影響を考慮できていない。
アウトカムがCVD死亡に限定
心筋梗塞や脳卒中の発生率は解析されておらず、非致死的なCVDリスクを評価できない。
研究対象の年代がやや古い
ベースライン調査は1990年代が中心であり、近年の降圧治療の進歩を反映していない可能性がある。
食塩摂取や運動習慣などの生活習慣因子が調整されていない
日本人の塩分摂取量が高いため、食塩制限がどの程度影響するか不明。
高血圧治療の普及による影響
近年の治療改善により、未治療者の血圧分布が過去と異なる可能性がある。
No comments yet