
「今日もいいビートが作れなかった…」「DAW(作曲ソフト)の画面を睨んだまま、1時間が過ぎてしまった」
もしあなたが今、そんな溜め息をついているなら、伝えたいことがある。それは、決してあなただけではないということ。そして、その悩みこそが、次のステップへ進むための切符だということ。
ビートメイキングにおいて、才能や高価な機材よりも遥かに重要なこと。それは「とにかく続けること」だ。なぜ「継続」こそが最強のスキルなのか、その理由を紐解いていこう。
SNSを開けば、プロ顔負けのクオリティのビート動画が溢れている。それらと自分の作品を比べて、「自分には才能がない」と落ち込んでいないか?
しかし、忘れてはいけない真実がある。あのかっこいいビートを作っている人も、最初は今のあなたと同じ場所にいたのだ。
ドラムの打ち込み方がわからない
コード進行がチンプンカンプン
作った曲がショボくて誰にも聴かせられない
これは、すべてのビートメイカーが通る「通過儀礼」だ。最初から完璧なビートが作れる人など、この世に一人もいない。「下手であること」は、恥ずかしいことではなく、スタートラインに立っている証拠なのだ。
「良いメロディが浮かばないから、今日はDAWを開くのをやめよう」
そう思ってしまう日もあるだろう。でも、ここが分かれ道だ。アイデアが浮かばなくても、機材の使い方が分からなくても、とりあえず機材の電源を入れ、DAWを立ち上げること。
好きなキックの音を1つ探すだけ
プリセットのシンセ音を適当に鳴らすだけ
機材のホコリを払うだけ
それだけで十分だ。「傑作を作ろう」と意気込む必要はない。毎日5分でも音楽制作の環境に触れることで、脳は「ビートメイク」を日常の一部として認識し始める。
「やる気」はやり始めてから出るもの。手を動かすことが、脳への着火剤になる。
思うような曲が作れず、停滞しているように感じる時期は誰にでもある。でも、それは「後退」ではない。
うまくいかない時、あなたは無意識のうちに「この方法は違う」「この音の組み合わせは合わない」という貴重なデータを蓄積している。
失敗したビート: 次の成功のための実験データ
完成しなかったループ: 将来のための素材ストック
無駄な時間は1秒もない。停滞しているように見えても、手を動かし続けていれば、水面下では確実に経験値が溜まっていく。
ビートメイキングの成長は、身長が伸びるのと同じで、自分ではなかなか気づけない。
毎日鏡を見ていても変化は分からないが、1年前の写真を見れば「あ、変わったな」と気づくはずだ。ビートメイクも同じだ。
半年前には分からなかったプラグインのつまみの意味が、なんとなく分かる。
以前より、ドラムを組むスピードが少し速くなった。
自分の好きな音の傾向がわかってきた。
続けてさえいれば、ある日ふと「あれ? なんか今日、いい感じに作れてるかも」という瞬間が必ず訪れる。その瞬間の喜びは、辞めずに続けた人だけが味わえる特権だ。
ビートメイキングにおいて、唯一の「失敗」があるとすれば、それは「完全に辞めてしまうこと」だけだ。
不格好でも、未完成でも、誰にも評価されなくても構わない。今日、あなたが手を動かして作ったそのワンループが、1年後のあなたの代表曲に繋がっているかもしれない。
焦らず、腐らず、淡々と、今日も音を鳴らしてみよう。
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