
ビートメイカーとして活動していると、「売れるためにはジャンルを絞るべき?」なんて悩むこと、あると思う。 「トラップ一本でいくべきか」「ローファイ専門になるべきか」…みたいな。
でも、長く楽しく続けるために本当に大事なのは、ジャンルよりも「あなたっぽい音」なのだ。 今回は、ジャンルという「枠」よりも、自分の「スタイル(好き)」を大事にする考え方について書いてみる。
アーティストやリスナーが本当に求めているのは、細かいジャンル分けじゃなくて「その人が作る音の世界観」だったりする。
例えば「トラップを作る人」と名乗るより、「ダークでベースが太くて、リバーブが深いビートを作る人」のほうが、「あ、その雰囲気が欲しい!」ってならない? その「自分のスタイル」さえあれば、トラップでもR&Bでも、どんなジャンルを作っても「あなたの音」になるわけだから。
「雰囲気」というとフワッとしているけれど、実はこれ、かなり具体的な機材やプラグインの使い方の話でもある。
毎回お気に入りのバスコンプを通す
テープシミュレーターでザラつかせる
EQでハイを少し削って丸くする
こうやって「自分だけの隠し味(質感のルール)」を決めておくと、ジャンルを変えても統一感が出るわけ。これって、聴く側からすると「あ、この質感!待ってました」という安心感になるわけ。これが本当の意味でのファン作り(ブランディング)なんだと思う。
ジャンルをガチガチに固定しちゃうと、最初は良くてもだんだん「作業」になってきちゃうよね。トレンドが変わったらどうしよう…という不安もつきまとう。
でも、「自分はエモいコード感が好き」「ドラムはローファイな質感が好き」というスタイル(自分の好き)を軸にすれば、流行りのジャンルが変わっても、その上に自分の好きを乗っけるだけでOK。「俺はトラップしか作れない」と自分で縛るより、「俺のタッチでR&Bを作ってみよう」と広げていくほうが、クリエイティブで楽しいはずだ。
難しく考えず、まずは自分のビートをジャンル名なしで説明してみるのがおすすめ。「夕暮れっぽいコード感と、重たいドラム」「ジャズっぽいサンプルと、カセットテープの質感」
そんなふうに、自分の「好き」を言語化してみて欲しい。ジャンルはあくまで「入れ物」。大事なのは、その中に入れる「あなたらしさ」だから。トレンドを追いかけるのも大事だけど、それはあくまでスパイスとして。
いろいろなジャンルを行き来しながら、どこにいても「あ、これあの人の音だ」と言われる。そんな自由なビートメイクライフ、素敵じゃない?
Share Dialog
Genx Notes
No comments yet