
音楽制作の自由度が上がった今、誰でもワンクリックでサンプリング素材を手に入れ、トラックを組み上げることができる。でも、その便利さの裏には見落とされがちなリスクが潜んでいる。それが「著作権」と「AI検知」の問題だ。
サンプリングには、依然として著作権の壁がある。たとえ短いフレーズでも、原曲の権利者が存在する場合は無断使用と判断されることがある。特に商用リリースでは、クレームや配信停止といったトラブルにつながることも珍しくない。
著作権フリー素材を使えば安全に思えるが、実際には同じ音源を使っているプロデューサーやビートメイカーが世界中にたくさんいます。その結果、「どこかで聴いたことある音」になってしまい、自分の個性が埋もれてしまうことも。
近年では、AIによる音源生成も普及している。高品質なドラム、ギター、ボーカルラインまで、簡単に作れる時代になった。しかしここにもリスクが。AI音源の中には、生成元のモデルやサービス側で「フィンガープリント」が埋め込まれているものがあり、YouTubeやSpotifyの自動判定で「AI生成コンテンツ」として誤検知されるケースも報告されている。これは今後さらに増える可能性がある。
AI音源をサンプリングして作った曲が、AI生成判定で制限される。そんな時代はもう現実だ。
一方、自分自身で演奏し、録音した音ならどうだろうか。それは完全に自分の表現であり、権利的にも安全で、何より他の誰とも被らない。
ギターやベースを弾けなくても、MIDIキーボードやスマホアプリを使えば簡単にオリジナルフレーズを作れる。フィールドレコーディングで外の環境音を取り入れるのも面白い方法だ。将来的にAI判定が強化されても、「自分で演奏・録った音」は常にクリーンで、安心して公開できる。
オリジナルの音を使う最大のメリットは、制限のない自由だ。サンプリングやライセンスの不安から解放され、純粋に音楽そのものに集中できる。しかも自分の演奏スキルや録音技術を磨くほど、作品の質と独自性も上がっていく。
今の時代だからこそ、素材に頼り切るのではなく「自分の音で勝負する」制作スタイルに注目している。その音こそ、どのAIにもコピーできない"あなた自身のサウンド"なのだから。
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